“じっぷん”の漢字の書き方と例文
語句割合
十分100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あのしまきがこの海岸に達すると、もう本物の南東風くだりだ、もう、それも十分じっぷんがない、——白山、南東風くだり、難破船、溺死できし——、こういうかんがえがごっちゃになって為吉の頭の中を往来しました。
少年と海 (新字新仮名) / 加能作次郎(著)
けっして損になる気遣きづかいはございません。十分じっぷん坐れば、十分の功があり、二十分坐れば二十分の徳があるのは無論です。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
十分じっぷんのち、保吉は停車場のプラットフォオムに落着かない歩みをつづけていた。彼の頭は今しがた見た、気味の悪い光景に一ぱいだった。殊に血から立ち昇っている水蒸気ははっきり目についていた。
寒さ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)