“打撒”の読み方と例文
読み方割合
ぶちま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
内弟子にめる時元老が聞いた——「坊主、修業をして、舞台へ浪が出せるかな。」八郎が立処たちどころに、「いけなけりゃ、バケツに水をんで置いて打撒ぶちまくよ。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
聞くと、どうして、思ったより出来ている、按摩はりの芸ではない。……戸外おもてをどッどと吹く風の中へ、この声を打撒ぶちまけたら、あのピイピイ笛ぐらいにまとまろうというもんです。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
惜気おしげなく真鍮しんちゅうの火鉢へ打撒ぶちまけると、横に肱掛窓ひじかけまどめいた低い障子が二枚、……其の紙のやぶれから一文字いちもんじに吹いた風に、又ぱっとしたのが鮮麗あざやか朱鷺色ときいろめた、あゝ、秋が深いと、火の気勢けはいしもむ。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)