“打撒(ぶちま)” の例文
内弟子に極(き)める時元老が聞いた——「坊主、修業をして、舞台へ浪が出せるかな。」八郎が立処(たちどころ)に、「いけなけりゃ、バケツに水を汲(く)んで置いて打撒(ぶちま)くよ。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
聞くと、どうして、思ったより出来ている、按摩鍼(はり)の芸ではない。……戸外(おもて)をどッどと吹く風の中へ、この声を打撒(ぶちま)けたら、あのピイピイ笛ぐらいに纏(まと)まろうというもんです。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
惜気(おしげ)なく真鍮(しんちゅう)の火鉢へ打撒(ぶちま)けると、横に肱掛窓(ひじかけまど)めいた低い障子が二枚、……其の紙の破(やぶれ)から一文字(いちもんじ)に吹いた風に、又※(ぱっ)としたのが鮮麗(あざやか)な朱鷺色(ときいろ)を染(そ)めた、あゝ、秋が深いと、火の気勢(けはい)も霜(しも)に染(そ)む。
貴婦人 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
とまで打撒(ぶちま)けるものは有っても、勝気気嵩(きがさ)の左褄、投遣りの酒機嫌。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
気にしたら、どうして、突然(いきなり)ポンプでも打撒(ぶちま)けたいくらいな処だ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わや/\と打撒(ぶちま)けたやうに思(おも)ふと
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)