“惜気”のいろいろな読み方と例文
旧字:惜氣
読み方割合
おしげ92.6%
をしげ7.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小豆色あずきいろのセーターを着た助手が、水道のホーズから村山貯水池の水を惜気おしげもなく注いで、寝台自動車に冷たい行水を使わせている。
病院風景 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
今どきこの湯つぼへ下りて来る人はあるまいと、千浪は安心して、惜気おしげもなくその身体からだを湯になぶらせて、上ることも忘れたふうだった。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
都督の辞令を受取つた中将は、やつとこの頃似合ふやうになつた背広服を、惜気をしげもなく脱ぎ捨てて早速中将の軍服に着替へようとした。
金剛石ダイアモンドと光を争ひし目は惜気をしげも無くみはりて時計のセコンドを刻むを打目戍うちまもれり。火にかざせる彼の手を見よ、玉の如くなり。さらば友禅模様ある紫縮緬むらさきちりめん半襟はんえりつつまれたる彼の胸を想へ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)