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惜気
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をしげ
ふりがな文庫
“
惜気
(
をしげ
)” の例文
旧字:
惜氣
都督の辞令を受取つた中将は、
漸
(
やつ
)
とこの頃似合ふやうになつた背広服を、
惜気
(
をしげ
)
もなく脱ぎ捨てて早速中将の軍服に着替へようとした。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
金剛石
(
ダイアモンド
)
と光を争ひし目は
惜気
(
をしげ
)
も無く
瞪
(
みは
)
りて時計の
秒
(
セコンド
)
を刻むを
打目戍
(
うちまも
)
れり。火に
翳
(
かざ
)
せる彼の手を見よ、玉の如くなり。さらば友禅模様ある
紫縮緬
(
むらさきちりめん
)
の
半襟
(
はんえり
)
に
韜
(
つつ
)
まれたる彼の胸を想へ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
炉
(
ろ
)
には
柱
(
はしら
)
にもなるべき木を
惜気
(
をしげ
)
もなく
焼
(
たき
)
たつる
火影
(
ほかげ
)
に
照
(
てら
)
すを見れば、末のむすめは
色黒
(
いろくろ
)
く
肥太
(
こえふと
)
りて
醜
(
みにく
)
し。をり/\
裾
(
すそ
)
をまくりあげて虫をひらふは見ぐるしけれど
恥
(
はぢ
)
らふさまもせず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
見ると、羊の革を幾枚か
貼重
(
はりかさ
)
ねて、裏一面に
惜気
(
をしげ
)
もなく金箔を押したものなのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
やつと
旅屋
(
やどや
)
を見つけて、泊り込むと、直ぐと南京虫がちくちく
螫
(
さ
)
しに来るので、
迚
(
とて
)
も寝つかれない。留学費のなかから買込むだ
大缶
(
おほくわん
)
の
蚤取粉
(
のみとりこ
)
を、
惜気
(
をしげ
)
もなくばら
撒
(
ま
)
いてみたところで一向利き目が無い。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
惜
常用漢字
中学
部首:⼼
11画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“惜”で始まる語句
惜
惜別
惜氣
惜哉
惜愛
惜春
惜毛
惜字塔
惜春行楽
惜暮計候