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をしげ
炉には
柱にもなるべき木を
惜気もなく
焼たつる
火影に
照すを見れば、末のむすめは
色黒く
肥太りて
醜し。をり/\
裾をまくりあげて虫をひらふは見ぐるしけれど
恥らふさまもせず。
見ると、羊の革を幾枚か
貼重ねて、裏一面に
惜気もなく金箔を押したものなのだ。
以前の
卯平であればさういふ
味が
普通で
且佳味く
感ずる
筈なのであるが、
數年來佳味い
醤油を
惜氣もなく
使用して
來た
口には
恐ろしい
不味さを
感ぜずには
居られなかつた。
拭ひ
主個親子に禮を
演和吉を
引連立出ながら跡へ心の
殘りけるが見返り/\
路次口へ出でゆく姿を娘もまた殘り
惜氣に見送りける斯くて長三郎は
戸外へ出ながら思ひ
續る娘がこと
彼いふ女を