“鯔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぼら85.2%
いな14.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明けがたには、ひとさかぼらが釣れる。すこし陽が出てからは、きす釣り舟が、笹の葉をいたように、釣竿をならべて、糸をあげていた。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余の郷里にて小鯛こだいあじぼらなど海魚を用ゐるは海国の故なり。これらは一夜圧して置けばなるるにより一夜鮓ともいふべくや。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
川に群れてるいなにも脂がのってくる、鯔の食える季節は、山に初茸の出る時期の間だけだと、そんなことを話してきかした。
初秋海浜記 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
獲ものゝ魚はいなであることは、この魚特有の精力的ななまぐさいにおいが近づくまえに鼻をうつので知られました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)