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鯔
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いな
ふりがな文庫
“
鯔
(
いな
)” の例文
川に群れてる
鯔
(
いな
)
にも脂がのってくる、鯔の食える季節は、山に初茸の出る時期の間だけだと、そんなことを話してきかした。
初秋海浜記
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
獲ものゝ魚は
鯔
(
いな
)
であることは、この魚特有の精力的な
腥
(
なまぐさ
)
いにおいが近づくまえに鼻をうつので知られました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
美妙は
鯔
(
いな
)
の背のように光ったベラベラ着物に
角帯
(
かくおび
)
をキチンと締め、イツでも
頭髪
(
あたま
)
を奇麗に分けて
安香水
(
やすこうすい
)
の匂いをさしていたが、紅葉は
燻
(
くす
)
んだ光らない着物に絞りの
兵児帯
(
へこおび
)
をグルグル巻いて
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「マア一口……。」と言って、
初手
(
しょて
)
に甘ッたるい
屠蘇
(
とそ
)
を飲まされた。それから黒塗りの膳が運ばれた。膳には仕出し屋から取ったらしい赤い刺身や椀や、
鯔
(
いな
)
の塩焼きなどがならべてあった。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
こどものとき小学校へ送り迎えをして呉れたり、わたくしの好きな
鯔
(
いな
)
のお
臍
(
へそ
)
を焼いて呉れたり、母がわたくしを乞食の
裔
(
すえ
)
と罵るのを庇って呉れたり、想い出せば親切だったと思うことも沢山あります。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
“鯔(ボラ)”の解説
ボラ(鰡、鯔、鮱、学名Mugil cephalus)は、ボラ目・ボラ科に分類される魚の一種。ほぼ全世界の熱帯・温帯に広く分布する大型魚で、海辺では身近な魚の一つである。食用に漁獲されている。
(出典:Wikipedia)
鯔
漢検1級
部首:⿂
19画
“鯔”を含む語句
大鯔
小鯔
鯔背
鯔子
鯔魚