元来いつたい)” の例文
旧字:元來
元来いつたい実業界の先輩と威張つてる奴らは昔からの素町人すちやうにんか、成上りの大山師か、濡手で粟の御用商人か、役人の古手の天下つたのか
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
元来いつたい政治をるに天子様をさしはさんで為やうといふは日本人の不心得で、昔日むかしから時の政府に反対するものを直ぐ朝敵にして了うが
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
元来いつたいビジ子スは実地に経験を積んで然る後覚えられるもんで、学校の教場で教師の講義レクチユアを聞いたつて解るもんぢやアない。
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
渠奴きやつの長処は妙に記憶が好いので日本の新聞雑誌を読んで外国通を極込きめこむのだ。元来いつたい日本人は西洋の事情に暗い子。俺が毛唐の犬を知つてるほどに中々行かんさうだ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
元来いつたい俺の解らないのは無暗やたらに西洋犬を珍重する奴サ。一つ気㷔ついでに話して聞かせやう。犬の先祖は狼だといふが、之は間違で、「ドール」といふ山犬の一種だ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)