“素町人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すちょうにん86.7%
すちやうにん13.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも一個の素町人すちょうにんらしい。しばらくは嘲声ちょうせいがやまなかった。しかしそれが止むのを待って、やっと行司は真顔まがおで訊いたものである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「僕は実業家は学校時代から大嫌だ。金さえ取れれば何でもする、昔で云えば素町人すちょうにんだからな」と実業家を前にひかえて太平楽を並べる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
元来いつたい実業界の先輩と威張つてる奴らは昔からの素町人すちやうにんか、成上りの大山師か、濡手で粟の御用商人か、役人の古手の天下つたのか
青年実業家 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
こいつら素町人すちやうにんの分際で、歴々の御旗本衆に楯突たてつかうとは、身のほど知らぬ蚊とんぼめ等。それほど喧嘩が売りたくば、殿様におねだり申すまでもなく、云値いひねでおれ達が買つてやるわ。
番町皿屋敷 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)