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すちょうにん
ふりがな文庫
“
素町人
(
すちょうにん
)” の例文
しかも一個の
素町人
(
すちょうにん
)
らしい。しばらくは
嘲声
(
ちょうせい
)
がやまなかった。しかしそれが止むのを待って、やっと行司は
真顔
(
まがお
)
で訊いたものである。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「僕は実業家は学校時代から大嫌だ。金さえ取れれば何でもする、昔で云えば
素町人
(
すちょうにん
)
だからな」と実業家を前に
控
(
ひか
)
えて太平楽を並べる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
万一の事でもあろうものなら、手前なんぞは先生とはちがって虫けら同然の
素町人
(
すちょうにん
)
故
(
ゆえ
)
、事によったら
遠島
(
えんとう
)
かまず軽いところで
欠所
(
けっしょ
)
は
免
(
まぬか
)
れまい。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
大高源吾ともあろう
武士
(
さむらい
)
が
素町人
(
すちょうにん
)
の馬子に
酒代
(
さかて
)
と詫証文を取られたのですから、骨身に沁みて口惜しかったでしょうよ。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
昨今此の辺に
大分
(
だいぶ
)
押込が這入ったり追剥が出たりして、
土地
(
ところ
)
の者が一方ならぬ迷惑致すを、貴殿等の御所業とは知らんで有ったが実に驚いた
大悪無道
(
だいあくぶどう
)
、
私
(
わたくし
)
は
素町人
(
すちょうにん
)
の身の上
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
侍
(
さむらい
)
は両刀を腰に横たえて、天下の良民たる町人・百姓等を低く眼下に見下ろし、
素町人
(
すちょうにん
)
・
土百姓
(
どびゃくしょう
)
と軽蔑して、場合によっては
斬捨御免
(
きりすてごめん
)
という程の権力をも有したものであった。
「特殊部落」と云う名称について
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
農商も
昔日
(
せきじつ
)
の
素町人
(
すちょうにん
)
・
土百姓
(
どびゃくしょう
)
に非ずして、藩地の士族を恐れざるのみならず、時としては旧領主を相手取りて出訴に及び、事と品によりては旧殿様の家を
身代限
(
しんだいかぎり
)
にするの奇談も珍しからず。
徳育如何
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
式台に手をついていた用人の
河豚内
(
ふぐない
)
と権太夫は、見も知らない
素町人
(
すちょうにん
)
がずかずかと上がって来たのに眉をひそめて
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「矢っ張り士族平民が
喧
(
やかま
)
しいんだそうですが、考えて見ると此方は私のお母さんのお父さんが
御家人
(
ごけにん
)
だったから、満更
素町人
(
すちょうにん
)
でもないということになったのさ」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
私
(
わたくし
)
は此の山は動かねえ、
私
(
わたくし
)
も千島禮三で、
仮令
(
たとい
)
相手が強いと云っても
多寡
(
たか
)
の知れた
素町人
(
すちょうにん
)
、此処へ来るというが幸い、どうせ細った
私
(
わし
)
が首だ、山三郎と刺違えて死ぬ分の事
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「私は何うしても気が済みません。秀子を
素町人
(
すちょうにん
)
へ片付けては先祖代々へ申訳が立ちません」
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
又金が返せぬから斬って仕舞うとは、余り理不尽じゃアありませんか、いくら
旗下
(
はたもと
)
でも
素町人
(
すちょうにん
)
でも、理に二つは有りません、さア切るなら斬って見ろ、旗下も犬の
糞
(
くそ
)
もあるものか
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おのれ、燕作ごとき
素町人
(
すちょうにん
)
におくれをとって一
党
(
とう
)
の人々に顔向けがなろうか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、
素町人
(
すちょうにん
)
の子がいやしくも若様のお帽子を足げにするなぞということが!」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「むむ、見受けるところ、貴様はただの
素町人
(
すちょうにん
)
ではないな。武士だな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
士「さア
除
(
ど
)
け/\
素町人
(
すちょうにん
)
除け」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
素
常用漢字
小5
部首:⽷
10画
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
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素町人風情