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一体
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いつたい
ふりがな文庫
“
一体
(
いつたい
)” の例文
旧字:
一體
……
一体
(
いつたい
)
が、
天上界
(
てんじやうかい
)
の
遊山船
(
ゆさんぶね
)
に
擬
(
なぞ
)
らへて、
丹精
(
たんせい
)
籠
(
こ
)
めました
細工
(
さいく
)
にござるで、
御斉眉
(
おかしづき
)
の
中
(
なか
)
から
天人
(
てんにん
)
のやうな
上﨟
(
じやうらう
)
御一方
(
おひとかた
)
、と
望
(
のぞ
)
んだげな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
梧桐
(
あをぎり
)
、
芭蕉
(
ばせう
)
、柳など詩や句に
揺落
(
えうらく
)
を歌はるるものは、みな思ひの
外
(
ほか
)
散る事遅し。
一体
(
いつたい
)
百日紅と云ふ木、春も新緑の色
洽
(
あまね
)
き頃にならば、容易に赤い芽を吹かず。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然
(
さ
)
うはいかない、
一体
(
いつたい
)
に火が
掛
(
かゝ
)
るんだから。金「頭と足の
方
(
ほう
)
はホンガリ
焼
(
や
)
いて
腹
(
はら
)
は
生焼
(
なまやき
)
にはなりますまいか。坊「
然
(
さ
)
うはいきませぬよ、
元膩
(
もとあぶら
)
だから
一体
(
いつたい
)
に火が
掛
(
かゝ
)
るでな。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
一体
(
いつたい
)
東のお奉行所
附
(
づき
)
のものの
書付
(
かきつけ
)
なら、なぜそれを西のお奉行所へ持つて来たのだい。」
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「先生は
一体
(
いつたい
)
何
(
なに
)
を
為
(
す
)
る気なんだらうね。
小母
(
おば
)
さん」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
耶路撒冷
(
イエルサレム
)
つて、
一体
(
いつたい
)
、
何
(
なん
)
だい。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
一体
(
いつたい
)
東海道
(
とうかいだう
)
掛川
(
かけがは
)
の
宿
(
しゆく
)
から
同
(
おなじ
)
汽車
(
きしや
)
に
乗
(
の
)
り
組
(
く
)
んだと
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る、
腰掛
(
こしかけ
)
の
隅
(
すみ
)
に
頭
(
かうべ
)
を
垂
(
た
)
れて、
死灰
(
しくわい
)
の
如
(
ごと
)
く
控
(
ひか
)
へたから
別段
(
べつだん
)
目
(
め
)
にも
留
(
と
)
まらなかつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この位で
御免
(
ごめん
)
蒙
(
かうむ
)
りますが、西洋の幽霊は
一体
(
いつたい
)
に、
骸骨
(
がいこつ
)
でなければ着物を着てゐる。裸の幽霊と云ふのは、近頃になつても一つも類がないやうです。
尤
(
もつと
)
も怪物には裸も少くない。
近頃の幽霊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
一体
(
いつたい
)
今日
(
けふ
)
は何を
叱
(
しか
)
られたんです」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
はてな、
内儀
(
ないぎ
)
を
未
(
ま
)
だ
返
(
かへ
)
さぬか、
一体
(
いつたい
)
どんな
魔物
(
まもの
)
が
棲
(
す
)
むぞ。——
其処
(
そこ
)
へ
行
(
ゆ
)
くまでには
何
(
なに
)
も
目
(
め
)
に
着
(
つ
)
いたものは
無
(
な
)
かつたに
因
(
よ
)
つて——
尚
(
な
)
ほ
此
(
こ
)
の
上
(
うへ
)
か、と
最一
(
もうひと
)
ツ
五階
(
ごかい
)
へ
上
(
のぼ
)
つて
見
(
み
)
た。
様子
(
やうす
)
は
知
(
し
)
れた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
段
(
だん
)
の
上
(
うへ
)
で、
一体
(
いつたい
)
の
石地蔵
(
いしぢざう
)
に
逢
(
あ
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“一体”の意味
《名詞》
一つのからだ。同体。
ひとつにまとまること。一丸。
(「一体(に)」の形で副詞的に)全体に。総じて。
《形容動詞》
一体 (いったい)
疑問の意を強調したり、とがめる意味を表す。一体全体。はたして。まったく。
そもそも。元来。大体。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
体
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“一体”で始まる語句
一体幾歳
一体誰だ