一躰いつたい)” の例文
二人ふたりちうごと驅付かけつけて、ふたはぬは無益むえきやがはら充分じゆうぶんになると、つぎおこつて問題もんだいは、一躰いつたいこのしま如何いかなるしまだらう、見渡みわたところ隨分ずいぶん巨大きよだいしまやうだが
師走の月は世間一躰いつたい物せわしき中を、こと更に選らみて綾羅きらをかざり、一昨日おととひ出そろひしと聞くそれの芝居、狂言も折から面白き新物しんものの、これを見のがしてはと娘共の騒ぐに、見物は十五日
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……がとびらひらいて、伝説でんせつなき縁起えんぎなき由緒ゆいしよなき、一躰いつたい風流ふうりうなる女神によしんのまざ/\としてあらはれたか、とうたがはれて、かたはらたなのこつた古幣ふるぬさなゝめにつたのにたいして、あへはゞかるべきいろかつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、お前様めえさままた一躰いつたいどうさつせえたわけでがすの。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一躰いつたいたすけてれたのはだれですッて、母様おつかさんふた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)