東方とうほう)” の例文
いまは、場面をかえて、山下清一やましたせいいちという東方とうほう製鋼会社の社長の大きなやしきにおこった、奇怪なできごとをしるさねばなりません。
魔法博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
これは空氣くうき上層じようそうには通常つうじよう西風にしかぜがあるので、下層かそう風向かざむきの如何いかんかゝはらず、こまかな火山灰かざんばひ大抵たいてい大氣中たいきちゆう上層じようそうり、東方とうほうはこばれるにるからである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
その翌日よくじつも、むなしく蒼渺さうびやうたる大海原おほうなばら表面ひやうめんながむるばかりで、たゞわが端艇たんてい沙魚ふかためまへ潮流てうりう引出ひきいだされ、いまかへつ反對流はんたいりうとて、今度こんど西南せいなんから東方とうほうむか
このすとんへんじの中央ちゆうおうつて東方とうほうながめるときは、太陽たいようるのを眞正面まつしようめんられるから、太陽崇拜たいようすうはい關係かんけいある宗教上しゆうきようじよう目的もくてきつくられたものであらうとひともありますが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
八重やえ立つ雲を押し分けて勢いよく道を押し分け、天からの階段によつて、下の世界に浮洲うきすがあり、それにおちになつて、つい筑紫つくし東方とうほうなる高千穗たかちほの尊い峰におくだり申さしめました。
貴下きか委任いにんけたる紀念塔きねんたふ建立けんりつは、首尾しゆびよく成就じやうじゆしたれども、その歸途きと吾等われらみづかまねきたるわざはひによりて、貴下きかすまへる海岸かいがんより、東方とうほう大約おほよそ三十山中さんちうにて、おそすなすべりのたに陷落かんらくせり