“粟稈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あわがら50.0%
アハガラ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
磚は造做もなく除けてしまった。窓へ手を掛けて押すとなんの抗抵もなく開く。その時がさがさと云う音がしたそうだ。小川君がそっと中を覗いて見ると、粟稈あわがらが一ぱいに散らばっている。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あの裂けた紅唐紙の切れのぶら下っている下は、一面の粟稈あわがらだ。その上に長い髪をうねらせて、浅葱色あさぎいろの着物の前が開いて、鼠色によごれた肌着がしわくちゃになって、あいつが仰向けに寝ていやがる。
鼠坂 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
常世の中路ナカミチは、時間勘定のうちには這入つて居ない。目を塞いだ間に行き尽すことが出来るのも、其為である。粟稈アハガラの謂はゞ一弾みにも、行き着かれる。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)