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幹
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から
勘次はおつたの
姿をちらりと
垣根の
入口に
見た
時不快な
目を
蹙めて
知らぬ
容子を
粧ひながら
只管蕎麥の
幹に
力を
注いだのであつた。
馬鹿に
降つてばかし
居た
所爲か
幹ばかし
延びつちやつて、そんだがとれねえ
方でもあんめえが、
夏蕎麥とれる
樣ぢや
世柄よくねえつちから
交へてくすんだ
穢い
莢が
白く
割れて
薄青いつやゝかな
豆の
粒が
威勢よく
跳ね
出してみんな
幹の
下に
潜り
込んで
畢ふ。
ますらをや痛手すべなみ黍の
幹を敷寢の床も去りがてにあらむ
秋茄子の
幹にも似るかこしかたは久々にして絶ゆらくは今