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空
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ふりがな文庫
“
空
(
から
)” の例文
空
(
から
)
になつた
渡船
(
とせん
)
へ、
天滿與力
(
てんまよりき
)
は
肩
(
かた
)
をいからして
乘
(
の
)
つた。
六甲山
(
ろくかふざん
)
に
沈
(
しづ
)
まうとする
西日
(
にしび
)
が、きら/\と
彼
(
か
)
れの
兩刀
(
りやうたう
)
の
目貫
(
めぬき
)
を
光
(
ひか
)
らしてゐた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
遠くから、もう一台、四頭の毛の長い馬に曳かれた
空
(
から
)
の軽馬車がガタゴトやって来たが、馬の
頸圏
(
くびわ
)
はぼろぼろで、馬具は荒縄だった。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
さらぬだに地獄絵の青鬼そのままなところへ——左手に握った乾雲丸を
鞘
(
さや
)
ぐるみふりあげるたびに
空
(
から
)
の右袖がぶきみな踊りをおどる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
弟子たちは
嗚咽
(
おえつ
)
を
怺
(
こら
)
えきれなかった。師の脱いだ
袈裟
(
けさ
)
だけを乗せて、
空
(
から
)
の
輦
(
くるま
)
は、花のちる夕風の中を、力なく、帰って行くのだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、そこに扉のすっかりあいている衣裳戸棚——それは
空
(
から
)
ではない。だれかがその中に立っているのである。ある姿が、ある人が。
衣裳戸棚
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
▼ もっと見る
テープ・レコーダーは
空
(
から
)
廻りをしていた。母の小言はもう終って、空転する音だけが聞えてい、私は敏夫の上半身を抱き起こした。
ばちあたり
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そして、彼等がだんだん近づいて来るのを見ると、彼等のうちの二人は、その
額
(
ひたい
)
のまん中に、
空
(
から
)
っぽの
眼窩
(
めのあな
)
だけがあいているのでした。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
今朝
埋
(
い
)
けた
佐倉炭
(
さくらずみ
)
は白くなって、
薩摩五徳
(
さつまごとく
)
に
懸
(
か
)
けた
鉄瓶
(
てつびん
)
がほとんど
冷
(
さ
)
めている。炭取は
空
(
から
)
だ。手を
敲
(
たた
)
いたがちょっと台所まで
聴
(
きこ
)
えない。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は衝動的に走り寄つて、メントール酒の瓶を軍曹の唇に近附けたが、瓶は
空
(
から
)
っぽになっている事に気附いたので憮然として立上った。
戦場
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それでも彼女は、彼の杯を少しも
空
(
から
)
のままにしておかなかった。そしてまた同じくらいに、自分の杯へも手の銚子を持っていった。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
今度は、三人の中の最後の者が、
空
(
から
)
になった酒を飲む
器
(
うつわ
)
を下に置いて脣をぴちゃぴちゃ舐めながら、自分の言うことを言い出した。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
七八本の
空
(
から
)
の徳利を床の間に並べ、女のつまらなさを、すつかり了解したやうな晴々しさで、ゆき子の寝床の
裾
(
すそ
)
にへたばつてしまつた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
ところが或日のこと公爵は我輩の煙草をつけてくれる積りで卓上のマッチを取ったが、明けて見ると
空
(
から
)
さ。君、何うしたと思う?
社長秘書
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ストーロナの谷間から摘んで来たカーネイシヨンであつたら、店中の踊り子に盃を持たせて「ブランブシウムの花鬘」を
空
(
から
)
にしてやる。」
山彦の街
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
續いて藝者のおりんとお袖、お
蔦
(
つた
)
は呑む眞似だけ。大方
空
(
から
)
つぽになつた徳利は、杯を添へて
艫
(
とも
)
のお
燗番
(
かんばん
)
のところに返されました。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その
後
(
あと
)
より続いて出てお出でなさるは
孰
(
いず
)
れも
胡麻塩
(
ごましお
)
頭、弓と曲げても張の弱い腰に無残や
空
(
から
)
弁当を
振垂
(
ぶらさ
)
げてヨタヨタものでお帰りなさる。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
近頃二人の男の間に挟まり、毎日続く焦慮にすっかり気持ちの制禦を失って居た彼女は、
空
(
から
)
元気さえもう長く張りつめて居られなかった。
決闘場
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
英
(
えい
)
ちゃんは、どうしようかと
考
(
かんが
)
えましたが、とうとう、
財布
(
さいふ
)
を
空
(
から
)
っぽにして、
大事
(
だいじ
)
な一
銭
(
せん
)
銅貨
(
どうか
)
をやってしまいました。そのとき
一銭銅貨
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一本の徳利はとうに
空
(
から
)
になってしまったが、誰も換えに来る者もなかった。半七はたまりかねて手を鳴らしたが、誰も返事をしなかった。
半七捕物帳:64 廻り灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ちょっと待ってください。何だか
空
(
から
)
のトランクを担いでいられるように見えますね。どれ、ちょっと持たせてみせてください」
戦時旅行鞄:――金博士シリーズ・6――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
お前は、気前よくお前の
抽斗
(
ひきだし
)
を
開
(
あ
)
けながら、こう言った、「さ、持って行きたまえ」。ところが、お前はびっくりした。抽斗は
空
(
から
)
だった。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
その他にもトルストイなど少し讀んだが、僕にはどうもぴつたりしないので、記憶に殘るといふほどでもなく、
空
(
から
)
讀にして通つてしまつた。
初めてドストイェフスキイを読んだ頃
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
今は
空
(
から
)
の丼や小皿をも片づけ終り、今日一日の仕事もやつとしまつたといふ風で、耳朶にはさんだ巻煙草の吸さしを取つて火をつけながら
勲章
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
十九日の朝から国道第一号や板橋街道や五日市街道を、
空
(
から
)
の陸軍の大型トラックがひっきりなしに出て行くのが注意をひいた。
だいこん
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
空
(
から
)
ながら持ち行くに困苦を極む、いわんや水を満たしては持ち帰るべき見込みなし、因って一計を案じ、泉の周囲を掘り廻る。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
それから鳥のあとから急いで家に入って——その鳥は綺麗な雄鳥であった——造作なくそれを捕えて、
空
(
から
)
の米櫃の中に入れて蓋をしておいた。
雉子のはなし
(新字新仮名)
/
小泉八雲
(著)
夜は戸を
閉
(
し
)
めて灯の色が暖く、人けも多くなるので、何か拠りどころが有るような気がするが、昼間吹く
空
(
から
)
ッ風は明るいだけに妙に頼りなく
こがらし:――南駅余情――
(新字新仮名)
/
岩本素白
(著)
彼れ其実は全く嗅煙草を嫌えるも
唯
(
た
)
だ
空
(
から
)
の箱を
携
(
たずさ
)
え
居
(
お
)
り、喜びにも悲みにも其心の動く
度
(
たび
)
我
(
わが
)
顔色を悟られまじとて煙草を
嚊
(
か
)
ぐに
紛
(
まぎ
)
らせるなり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
と、——見る
中
(
うち
)
に、
空
(
から
)
な二輪馬車が、手綱を引きずりながら、カーブを曲ってガタガタと音させながら、私たちの方に駈けて来るのであった。
自転車嬢の危難
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
ガツガツと食う形の癖に、
不味
(
まず
)
そうな、食欲がないので、無理やり食っているといった感じを一方で出していた。たちまち茶碗を
空
(
から
)
にすると
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
夜になったら泊まり客があるかもしれないと女中のいった五つの
部屋
(
へや
)
はやはり
空
(
から
)
のままで、日がとっぷりと暮れてしまった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
(小型グラスをすかして見て)おや、
空
(
から
)
だ、誰かもう飲んじまった。(ヤーシャ
咳払
(
せきばら
)
いをする)がぶ飲みとはこのことだ……
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
最初のうちは、頭が
空
(
から
)
っぽになって、何一つ考えられなかった。真黒な壁にぶつかってつぶされかかってるかのようだった。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
右の推測をなお確かならしむることには、ボタンをはめてる男は川岸通りを通りかかった
空
(
から
)
の
辻馬車
(
つじばしゃ
)
を
汀
(
みぎわ
)
から見つけて、御者に合い図をした。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
その猪口が
空
(
から
)
になると、客は
隙
(
す
)
かさず露柴の猪口へ客自身の罎の酒をついだ。それから
側目
(
はため
)
には
可笑
(
おか
)
しいほど、露柴の
機嫌
(
きげん
)
を
窺
(
うかが
)
い出した。………
魚河岸
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
津島はれいの、「苦労を忘れさせるような」にこにこ顔で答え、机の上を
綺麗
(
きれい
)
に片づけ、
空
(
から
)
のお弁当箱を持って立ち上る。
家庭の幸福
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
丸屋の息子は
空
(
から
)
の
負梯子
(
しよひこ
)
を擔つて、對岸から戻つて來る。私達は其れに別れて丸木橋を渡り、右岸の林道を進む事になる。
黒岩山を探る
(旧字旧仮名)
/
沼井鉄太郎
(著)
空
(
から
)
の胃袋は
痙攣
(
けいれん
)
を起したように引締って、
臓腑
(
ぞうふ
)
が
顛倒
(
ひッくりかえ
)
るような苦しみ。臭い腐敗した空気が意地悪くむんむッと
煽付
(
あおりつ
)
ける。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
押入れの
空
(
から
)
っぽの空想的作家こそ自ら死の道を行くものである。それはいつの時代にあっても永久に変らない一事である。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
注
(
さ
)
すあと、注すあと、
割醤油
(
わりした
)
はもう
空
(
から
)
で、
葱
(
ねぎ
)
がじりじり焦げつくのに、
白滝
(
しらたき
)
は水気を去らず、
生豆府
(
なまどうふ
)
が
堤防
(
どて
)
を築き、
渠
(
きょ
)
なって湯至るの観がある。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まるっきり今日は
溢
(
あぶ
)
れちまって、
空
(
から
)
ア
挽
(
ひ
)
いて帰るかと思っていた処で、何うか
幾許
(
いくら
)
待っても宜しゅうございます、閑でげすから、お
合乗
(
あいのり
)
でへい
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ところで今夜は
暴風雨
(
しけ
)
ではあり、それにもう仕事を止める頃じゃ。で、今こっちへ近寄って来る
幾個
(
いくつ
)
かの籠はみな
空
(
から
)
じゃ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
墓のなかには偶然に油のいっぱい入ったランプが残されてあったが、それは
空
(
から
)
になっていた。だがそれは蒸発してなくなったのだったかもしれぬ。
早すぎる埋葬
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
過
(
す
)
ぎがてに
愛
(
あい
)
ちやんは、
棚
(
たな
)
の
一
(
ひと
)
つから一
個
(
こ
)
の
甕
(
かめ
)
を
取下
(
とりおろ
)
しました、それには『
橙糖菓
(
オレンジたうくわ
)
』と
貼紙
(
はりがみ
)
してありましたが、
空
(
から
)
だつたので
大
(
おほ
)
いに
失望
(
しつばう
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
着物を完全に着てしまうと、ウィレムのすぐ前を通って、
空
(
から
)
の隣室を抜け、次の部屋に行かねばならなかった。扉は両側ともすでに開かれていた。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
相模湾
(
さがみわん
)
べりの海岸の中央部に位置する漁師町からの、毎日往復五時間弱を要する通学に——また、そんなぼくが、日々
空
(
から
)
っぽの貨物列車みたいな
煙突
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
その
傍
(
そば
)
で
半襦袢
(
はんじゅばん
)
の
毛脛
(
けずね
)
の男たちが、
養蚕
(
ようさん
)
用の
円座
(
えんざ
)
をさっさっと水に浸して勢いよく洗い立てる。
空
(
から
)
の高瀬舟が二、三
艘
(
ぞう
)
。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「ただいまも、その通りでござります。それ故に島田は奥行が知れぬと申す者もござります、剣術ばかりで、頭は
空
(
から
)
じゃと申す者もございまする」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼らは、その労働を終えた時、帰って行く、
空
(
から
)
荷車の上へよじ登るのが困難なくらいに、からだが
硬
(
かた
)
くなっているのだ。彼らの
一人
(
ひとり
)
は言っていた。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
火だねをとるので、幾度も長火鉢の火つぼを
空
(
から
)
につめたくしては、そのつめたい中に、火をいけると、そのいけた火は、また存外早くたってしまう。
女中訓
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
“空”の解説
空(そら、霄、en: sky)とは、地上から見上げたときに頭上に広がる空間のこと。天。
(出典:Wikipedia)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
“空”を含む語句
空腹
空洞
空虚
空想
空手
虚空
空間
蒼空
空嘯
空々
青空
空中
碧空
大空
空地
中空
空気
空車
空隙
空室
...