『衣裳戸棚』
ベルリン—ロオマ行の急行列車が、ある中ぐらいな駅の構内に進み入ったのは、曇った薄暗い肌寒い時刻だった。幅の広い、粗ビロオドの安楽椅子に、レエスの覆いをかけた一等の車室で、あるひとりの旅の客が身を起した——アルプレヒト・ファン・デル・クワアレ …
著者 | パウル・トーマス・マン |
翻訳者 | 実吉捷郎 |
ジャンル | 文学 > ドイツ文学 > 小説 物語 |
原題 | DER KLEIDERSCHRANK |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約18分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約30分(300文字/分) |