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緘
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から
上て引せけるに曲者は
爰ぞと思ひ
滑々と引出す處を半四郎は
寢返りをする體にて曲者の
首を
股間へ
挾み足を
緘みて
締付けるに
大力無雙の後藤に
締付られて曲者は
言を云事も
叶はず
只眼を
云へ
御殿場迄の
旦那殿と
讓合う中何時か我家の
表へ來りしが日は西山へ入て
薄暗ければ外より是お里
遠州の兄が來たと云にお里は
應と云出る此家の
構へ昔は然るべき百姓とも云るれど今は
壁落骨顯れ
茅の
軒端の
傾きて
柱に
緘む
蔦葛糸瓜の花の
亂れ
咲き
住荒したる
賤が家に娘のお里は十七歳
縹致は