“はびこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハビコ
語句割合
73.5%
蔓延14.3%
彌漫2.0%
2.0%
1.0%
1.0%
1.0%
1.0%
瀰蔓1.0%
1.0%
1.0%
跳梁1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私たちは松の老木が枝をはびこらせている遊園地を、そこここ捜してあるいた。そしてついに大きな家の一つの門をくぐって入っていった。
蒼白い月 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
利にさとい商人たちはこれにつけ込みましたから、非常な早さで蔓延はびこりました。そのため手間のかかる本藍はこれに立ち向うことがむずかしくなりました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
仰向の男は、空一面に彌漫はびこつて動かぬ灰雲の真中を、黙つてみつめて居る。螽の如く蹲んだ男は、平たい顔を俯向うつむけて、右手みぎ食指ひとさしで砂の上に字を書いて居る——「忠志ただし」と書いて居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
納経なふきやうの御望み叶はせられざりしより、竹の梢に中つてるゝ金弾の如くに御志あらぬ方へと走り玉ひ、鳴門の潮の逆風さかかぜに怒つて天にはびこるやう凄じき御祈願立てさせ玉ひしと仄に伝へ承はり侍りしが
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
何時しか暗い陰影かげ頭脳あたまはびこつて来る。私は、うして何処へといふ確かな目的あてもなく、外套を引被ひつかけて外へ飛び出して了ふ。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何時いつしか暗い陰影かげ頭腦あたまはびこつて來る。私は、うして何處へといふ確かな目的あてもなく、外套を引被ひつかけて外へ飛び出して了ふ。
菊池君 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
そうして見る間に末広がりに煙りの先が広がって空一面にはびこったかと思うと、沛然はいぜんと暴雨が降りかかった。暴雨は谷間に滝のように注ぎ、そこにこもったすべての物を押し流そうとするのでもあろう。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此雲天にはびこるとやがて、風ざわ/\と吹き下し、雨どつと落ちかゝり来るならひにて、あらしめきたる空合に此雲の出でたる、また無く物すさまじく、をかしき形などある雲とは異りて
雲のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
いかにも勢力が鈍く不忠の人間は奸智かんちに富んで居るだけ、巧みに徒党を組みたやすく倒すことの出来ないように立ち廻って、宮中に瀰蔓はびこって居ると言う訳ですからどうもして見ようがない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
この草庵を建てるので、草や木を刈ってみても、伸びて欲しい植物は伸びず、醜草しこぐさや邪魔な灌木かんぼくは、刈っても刈っても、はびこって仕方がない。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
現に紀州では神社合祀ごうしを濫行し神林を伐り尽くして有益鳥類を失い、ために害虫おびただしく田畑にはびこり、霞網などを大枚出して買い入れ雀を捕えしむるに、一
ヂュリ おゝ、パリスどのと祝言しうげんをせうほどなら、あのたふうへからんでい、山賊やまだち跳梁はびこ夜道よみちけ、へびくさむらひそめいともはッしゃれ。