“忠志”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ただし66.7%
ちうし33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仰向の男は、空一面に彌漫はびこつて動かぬ灰雲の真中を、黙つてみつめて居る。螽の如く蹲んだ男は、平たい顔を俯向うつむけて、右手みぎ食指ひとさしで砂の上に字を書いて居る——「忠志ただし」と書いて居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
程經てから、『折角の日曜だツたのに……』と口の中でつぶやいて、忠志ただし君は時計を出して見た。『兎に角僕はお先に失敬します。』と楠野くすの君の顏色をうかゞひ乍ら、インバネスの砂を拂つて立つ。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
くだかれけれども主税之助がなせる所爲しよゐ悉皆こと/″\くよろしからざるに付甚だ口惜くちをしき事に思はれ又家來けらい山口惣右衞門ばんすけ十郎建部郷右衞門の三人の忠臣ちうしん志操こゝろざし深しと雖も主人主税之助が所爲しよゐ押潰おしつぶされ渠等三人の忠志ちうし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)