“ただし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タダシ
語句割合
69.4%
9.7%
4.8%
4.8%
忠志3.2%
1.6%
正確1.6%
正義1.6%
糺明1.6%
1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……ただし新聞社には遺憾なく手を廻わしたものと見えて、一行も書かなかった。だから結局、死んだ奴が死に損という事になった訳だ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
貫一は篤学のみならず、性質もすぐに、おこなひただしかりければ、この人物を以つて学士の冠をいただかんには、誠に獲易えやすからざる婿なるべし、と夫婦はひそかに喜びたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
倉知の俊夫(咲の兄)が召集されて出かけ、従弟の倉知ただしが又呼ばれて出かけ、春江の良人河合(咲の義兄)があぶないと云う工合で、この頃の空気がつよく反映しています。
ふっくりした手先を机にふれさせながら立っている杉子の頭の中に、その時高く響くような調子で「いずれをただしとするや」という文句がはっきりきこえた。
杉子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
程經てから、『折角の日曜だツたのに……』と口の中でつぶやいて、忠志ただし君は時計を出して見た。『兎に角僕はお先に失敬します。』と楠野くすの君の顏色をうかゞひ乍ら、インバネスの砂を拂つて立つ。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
青年の父の杉野ただしと云う子爵も、少女の父の唐沢男爵も、共に聞えた貧乏華族である。黄金のほこの前に、黄金の剣の前には、何の力もない人達だった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「あゝそうですか。いや、今日はお招きにあずかって有難うございます。僕は、御存じの杉野ただしの息子です。ここに、いらっしゃるのは、唐沢男爵だんしゃくのお嬢さんです。」
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そうして、私達を取り囲みましたが、年長らしい一人の男が、明瞭はっきりした正確ただしい柬埔寨語で、斯う私に話し掛けました。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
◯しかして彼が霊より聞きしことばの主意は「人いかで神より正義ただしからんや、人いかでその造主つくりぬしより潔からんや、……これは(人は)朝より夕までの間に亡び、かえりみる者もなくして永く失逝うせさる」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
むむ、なんしろ一番糺明ただして見ようと、たなそこを高く打鳴らせば、ややありて得三の面前に平伏したるは、当家に飼殺しの飯炊にて、お録といえる老婆なり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だん/\その忘れるくせめ直して、心を落着け、恐れ多いことですが、べてただしき御心のまゝに治めていらつしやる御神みかみの見まへと思つて万事する様にしたら
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)