弥蔓びまん)” の例文
旧字:彌蔓
そういう伝説が弥蔓びまんしたところに生ずる観念を思うと、とるに足らぬとは云いきれない問題が起こってくる、現にみろ、武士道は禅と儒教の影響を吸って全きを得たといわれている
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
熊野くまのを振り出しに伊勢や熱田あつたのあたりへ移って来て、やがて第二の勢力にその地位を譲って、消えてなくなってしまった比丘尼衆びくにしゅうを始めとし、かつてこの国土に弥蔓びまんした遊行女婦ゆうこうじょふの名は数多い。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)