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淫
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みだら
ふりがな文庫
“
淫
(
みだら
)” の例文
よいか、今申した通り、きゃつめがいろいろと
淫
(
みだら
)
がましゅう言い寄って参るに相違ないゆえ、
風情
(
ふぜい
)
ありげに持ちかけて、きゃつを坊主にせい
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「わが身はこの雷横の母じゃ。生れ損いを産んだ母じゃ。けれどな
女子
(
おなご
)
、わしはまだそなたのような
淫
(
みだら
)
な
売女
(
ばいた
)
風情を子にもったことはないぞえ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
浮
(
うか
)
れ車座のまわりをよくする油さし商売は
嫌
(
いや
)
なりと、
此度
(
このたび
)
は
象牙
(
ぞうげ
)
を
柊
(
ひいらぎ
)
に
易
(
か
)
えて
児供
(
こども
)
を相手の
音曲
(
おんぎょく
)
指南
(
しなん
)
、芸は
素
(
もと
)
より鍛錬を
積
(
つみ
)
たり、
品行
(
みもち
)
は
淫
(
みだら
)
ならず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
……そうしてどうぞ私の胸から、醜い
淫
(
みだら
)
な慾望を、どうぞお取り捨てくださいますよう……未だに私は迷っております。未だに私は
焦
(
こが
)
れております。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
顔だけがクッキリと浮び、
淫
(
みだら
)
がわしくとりみだした
風情
(
ふぜい
)
は、薄暗の中に溶け込んで、夢の様な美しさを
醸
(
かも
)
し出した。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
今まで覗いたこともなかつた人の世界の真実が、この
淫
(
みだら
)
な女の涙の中からありありと男の心の眼に映つて来た。け高いと云はうか、神神しいと云はうか。
瘢痕
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
始はかやうな
淫
(
みだら
)
な事を、ものものしう詮議立てするが、おのれにも恥しうて、うちつけに尋ねようは元より、「ろおれんぞ」の顔さへまさかとは見られぬ程であつたが
奉教人の死
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
正しく仕える身であるから、彼らは
淫
(
みだら
)
な
形
(
なり
)
を慎む。相応しき体を整え、謹ましく衣を染める。
奢
(
おご
)
る風情は器らしき姿ではない。華かに過ぎるなら、仕える心に
悖
(
もと
)
るではないか。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そこには
鍔
(
つば
)
の広い色変りの帽子や、
天鵞絨
(
びろうど
)
の洋服を着た日本の
画学生
(
ゑがくせい
)
が五六人集まつてゐた。みんな喰べ酔つた顔をしながら、巻煙草の
煙
(
けぶり
)
と一緒に、
淫
(
みだら
)
な女の噂などを吐き出してゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そんな
淫
(
みだら
)
なことに身を過つのを
慙
(
は
)
ずる心の方が強かったからであります。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
かくのごとく天城四郎は、無慈悲だ、強慾だ、殺生ずきだ! そして、女を見れば
淫
(
みだら
)
になり、他人の幸福を見れば
呪詛
(
じゅそ
)
したくなる。——これでも俺を善人というか
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(自分を見廻し)われながらこの悪魔! われながら華美のこの姿! 幾百千人の若い女を、罪と不貞に導いたか!
淫
(
みだら
)
を語るこの唇で、
情
(
なさけ
)
深げの歌を歌い、乙女心を誘ったか。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
正しく仕える身であるから、彼らは
淫
(
みだら
)
な
形
(
なり
)
を慎しむ。相応わしき体を整え、慎ましく衣を染める。
奢
(
おご
)
る風情は器らしき姿ではない。華かに過ぎるなら、仕える心に
悖
(
もと
)
るではないか。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
薄黒い唇が
淫
(
みだら
)
がましく開いて、そこから
脂
(
やに
)
に染まった長い歯が覗いていた。
五階の窓:01 合作の一(発端)
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
淫
(
みだら
)
なる魔の
係蹄
(
わな
)
にしも
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
淫
(
みだら
)
の心となったこと、丁度、一年前、北の浜辺で紅い薔薇の花を、紫の袍を着た、桂の冠をかむった、銀の竪琴を持った、若い美しい音楽家に貰った時のような心持ちとなったことを
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
異性の匂いばかりを
嗜
(
たしな
)
んでいたため衰弱し切った若い男に、往々見られるそれのような、怪しい
淫
(
みだら
)
な病的な、赤味を頬に持っていて、それがかえって美しい、——といったような武士であった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
淫
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“淫”を含む語句
淫売婦
淫蕩
淫奔
淫婦
淫売
淫猥
売淫
淫売屋
淫靡
淫祠
淫乱
誨淫
淫亂
淫佚
淫卑
淫魔
淫縦
淫奔者
淫褻
淫奔女
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