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同
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おなじ
ふりがな文庫
“
同
(
おなじ
)” の例文
一体
(
いつたい
)
東海道
(
とうかいだう
)
掛川
(
かけがは
)
の
宿
(
しゆく
)
から
同
(
おなじ
)
汽車
(
きしや
)
に
乗
(
の
)
り
組
(
く
)
んだと
覚
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
る、
腰掛
(
こしかけ
)
の
隅
(
すみ
)
に
頭
(
かうべ
)
を
垂
(
た
)
れて、
死灰
(
しくわい
)
の
如
(
ごと
)
く
控
(
ひか
)
へたから
別段
(
べつだん
)
目
(
め
)
にも
留
(
と
)
まらなかつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その投書と遺書が
同
(
おなじ
)
一人
(
ひとり
)
によって同一の時に書かれたことを発見するということも、今は疑うべくもない、予定の計画だったのだ。
闘争
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
それへ国沢君が、
同
(
おなじ
)
く seconded by と加えてくれたので、大連滞在中はいつでも、
倶楽部
(
クラブ
)
に
出入
(
しゅつにゅう
)
する資格ができた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の新なる悔は切に
夤
(
まつは
)
るも、
徒
(
いたづら
)
に凍えて水を得たるに
同
(
おなじ
)
かるこの
両
(
ふたつ
)
の者の、
相対
(
あひたい
)
して
相拯
(
あひすく
)
ふ能はざる
苦艱
(
くげん
)
を添ふるに過ぎざるをや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
あゝ藻西太郎の白状は果して気の狂いたる為なるか余は
爾
(
そう
)
と思い得ず、思い得ぬのみにあらで余は益々倉子の口と其心と
同
(
おなじ
)
からぬを疑い
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
而して余が
突嗟
(
とつさ
)
之を承諾したる当夜の
志
(
こゝろざし
)
ならんや、
只
(
た
)
だ「刑余の徒」たるの一事のみ、
兄
(
けい
)
と余と運命を
同
(
おなじ
)
ふする所也
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
追手
(
おって
)
の人々も
同
(
おなじ
)
く
村境
(
むらざかい
)
まで走って来たが、
折柄
(
おりから
)
の烈しい
吹雪
(
ふぶき
)
に
隔
(
へだ
)
てられて、
互
(
たがい
)
に離れ離れになって
了
(
しま
)
った。
其中
(
そのなか
)
でも忠一は勇気を
鼓
(
こ
)
して
直驀地
(
まっしぐら
)
に駈けた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
政治の権は教門の道とその本を
同
(
おなじ
)
うせず
云々
(
うんぬん
)
、その主とするところ人民を
聚
(
あつ
)
め国を成し、不正をして正を犯すことを得ざらしめ、もってその治安を保す云々
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
其
(
その
)
元日も此雪国の元日も
同
(
おなじ
)
元日なれども、
大都会
(
たいとくわい
)
の
繁花
(
はんくわ
)
と
辺鄙
(
へんひ
)
の雪中と
光景
(
ありさま
)
の
替
(
かは
)
りたる事
雲泥
(
うんでい
)
のちがひなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
さて
某
(
なにがし
)
は
僕
(
ぼく
)
を
從
(
したが
)
へ
我家
(
わがや
)
をさして
歸
(
かへ
)
る
途
(
みち
)
すがら
曩
(
さき
)
に
雲飛
(
うんぴ
)
が石を
拾
(
ひろ
)
つた川と
同
(
おなじ
)
流
(
ながれ
)
に
懸
(
かゝ
)
つて居る
橋
(
はし
)
まで來ると、
僕
(
ぼく
)
は
少
(
すこ
)
し
肩
(
かた
)
を
休
(
やす
)
める
積
(
つも
)
りで石を
欄干
(
らんかん
)
にもたせて
吻
(
ほつ
)
と
一息
(
ひといき
)
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其際伴氏は上等士官として艦長の代理たり。其際には最も
親
(
したし
)
く且つ予と年齢も
同
(
おなじ
)
きを以て最も親くせり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
私の親しい
同
(
おなじ
)
町内の子供達が、皆旗を貰つて馬車からばら/\と帰つて行き、
薄見知
(
うすみし
)
りの顔の交つた隣町の子供等にも別れ、
終
(
しま
)
ひには誰一人
馴染
(
なじみ
)
のない子供等の中に
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
第五十五 パインナプル
同
(
おなじ
)
パインナプルは裏漉しにしたものを大匙一杯位でようございます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
初
(
はじめ
)
の
間
(
あひだ
)
は
矢張
(
やはり
)
昨日
(
きのふ
)
と
同
(
おなじ
)
く、
數百頭
(
すうひやくとう
)
の
猛獸
(
まうじう
)
は
隊
(
たい
)
をなして、
鐵車
(
てつしや
)
の
前後
(
ぜんご
)
に
隨
(
したが
)
つて
追撃
(
ついげき
)
して
來
(
き
)
たが、
其中
(
そのうち
)
には
疲勞
(
つかれ
)
のために
逃去
(
にげさ
)
つたのもあらう、また
吾等
(
われら
)
が
絶
(
た
)
えず
發射
(
はつしや
)
する
彈丸
(
だんぐわん
)
のために
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
すべてその
趣
(
おもむき
)
を
同
(
おなじ
)
うして、自から
苦楽
(
くらく
)
を共にするときは、
復
(
ま
)
た
離散
(
りさん
)
すること能わず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
かくてはその
災害
(
さいがい
)
を待つに
同
(
おなじ
)
くして
本意
(
ほんい
)
に非ざれば、今より毎年
寸志
(
すんし
)
までの
菲品
(
ひひん
)
を
呈
(
てい
)
すべしとて、その後は
盆
(
ぼん
)
と
暮
(
くれ
)
に
衣物
(
いぶつ
)
金幣
(
きんへい
)
、或は予が特に
嗜好
(
しこう
)
するところの数種を
添
(
そ
)
えて
※
(
おく
)
られたり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
然れども斯く嘲りたる平民的短歌の史論家(同じく愛山生)と時を
同
(
おなじ
)
うして立つの悲しさは、無言
勤行
(
ごんぎやう
)
の芭蕉より其詞句の一を仮り来つて、わが論陣を固むるの非礼を行はざるを得ず。
人生に相渉るとは何の謂ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
附近には戦場ヶ原や川端下の原(
同
(
おなじ
)
く戦場ヶ原の名がある)等の美しい原もある。
秩父の奥山
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
御大切
(
ごたいせつ
)
の身の上を御存じなれば
何故
(
なぜ
)
夜夜中女一人の
処
(
ところ
)
へおいでなされました、あなた様が御自分に
疵
(
きず
)
をお付けなさる様なものでございます、
貴方
(
あなた
)
だッて
男女
(
なんにょ
)
七歳にして席を
同
(
おなじ
)
ゅうせず
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
享保十
巳年
(
みどし
)
も
暮
(
くれ
)
明れば
同
(
おなじ
)
き十一
午年
(
うまどし
)
の元日
天神丸
(
てんじんまる
)
には吉兵衞
始
(
はじ
)
め船頭
杢右衞門
(
もくゑもん
)
水主
(
かこ
)
十八人
水差
(
みづさし
)
一人
都合
(
つがふ
)
二十一人にて元日の
規式
(
ぎしき
)
を取行ひ三が日の
間
(
あひだ
)
は
酒宴
(
しゆえん
)
に日を暮し
己
(
おの
)
が樣々の
藝
(
げい
)
盡
(
つく
)
して
興
(
きよう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「男女七歳にして席を
同
(
おなじ
)
ゅうせず」と言った旧道徳は、徳川幕府の勢威と共に
頽
(
すた
)
れて
仕舞
(
しま
)
って、今は
従兄弟
(
いとこ
)
同志の親しさに、角目立って物を言う人も無いのを幸い、鎧蔵の前の濡れ縁に寄り添って
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
両者は殆ど時期を
同
(
おなじ
)
うして江戸に入った。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
問題が親子の関係である際も
同
(
おなじ
)
である。
性急な思想
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
是
(
これ
)
は
私
(
わたし
)
の
竹馬
(
ちくば
)
の
友
(
とも
)
の
久我
(
くが
)
某
(
ぼう
)
が
石橋
(
いしばし
)
とはお
茶
(
ちや
)
の
水
(
みづ
)
の
師範学校
(
しはんがくかう
)
で
同窓
(
どうそう
)
であつた
為
(
ため
)
に
私
(
わたし
)
に
紹介
(
せうかい
)
したのでしたが、
其
(
そ
)
の理由は第一
私
(
わたし
)
と
好
(
このみ
)
を
同
(
おなじ
)
うするし
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
同
(
おなじ
)
やうに
吹通
(
ふきとお
)
しの、裏は、川筋を一つ向うに、夜中は
尾長猿
(
おながざる
)
が、キツキと鳴き、カラ/\カラと
安達
(
あだち
)
ヶ
原
(
はら
)
の
鳴子
(
なるこ
)
のやうな、
黄金蛇
(
こがねへび
)
の声がする。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そも/\此
輴
(
そり
)
といふ物、雪国第一の用具。
人力
(
じんりき
)
を
助
(
たすくる
)
事船と車に
同
(
おなじ
)
く、
且
(
そのうへ
)
に
作
(
つく
)
る事
最易
(
いとやす
)
きは
図
(
づ
)
を見て知るべし。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
冬子も一時は失神の
態
(
さま
)
であったが、これも市郎の手当に
因
(
よっ
)
て回復して、
南向
(
みなみむき
)
の座敷に
俯向
(
うつむ
)
いて坐っていた。
傍
(
そば
)
には安行と市郎の二人が
同
(
おなじ
)
く黙って坐っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
中は
勧工場
(
かんこうば
)
のように真中を往来にして、
同
(
おなじ
)
く勧工場の
見世
(
みせ
)
に当る所を長屋の上り口にしてある。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
パインナプルのグラスカスター 冬付録 病人の食物調理法の「第五十五 パインナプル
同
(
おなじ
)
」
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
君子の信ずるところは小人の疑うところとなり、老婆の
安
(
やすん
)
ずる所は少年の笑うところとなる。新を
貪
(
むさぼ
)
る者は
陳
(
ちん
)
を
嫌
(
きら
)
い、古を好む者は
奇
(
き
)
を
怪
(
あやし
)
む。人心の
同
(
おなじ
)
からざる、なおその面のごとし。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
上
(
あげ
)
し方が
足下
(
そくか
)
の家の
息子
(
むすこ
)
なりしかとは知ねども
容姿
(
みなり
)
もよく若きに
似氣
(
にげ
)
なく
物柔
(
ものやはらか
)
で
折屈
(
をりかゞみ
)
能
(
よ
)
き人なれば
娘
(
むすめ
)
持
(
もつ
)
身
(
み
)
は早くも目が附き
何處
(
いづこ
)
の息子か知ざれど
美男
(
びなん
)
の上に
温順
(
おとなし
)
やと
同
(
おなじ
)
事なら
斯
(
あゝ
)
いふ人に娘を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これを勝氏の
始末
(
しまつ
)
に比すれば年を
同
(
おなじ
)
うして語るべからず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
同
(
おなじ
)
やうに
吹通
(
ふきとほ
)
しの、
裏
(
うら
)
は、
川筋
(
かはすぢ
)
を
一
(
ひと
)
つ
向
(
むか
)
うに、
夜中
(
よなか
)
は
尾長猿
(
をながざる
)
が、キツキと
鳴
(
な
)
き、カラ/\カラと
安達
(
あだち
)
ヶ
原
(
はら
)
の
鳴子
(
なるこ
)
のやうな、
黄金蛇
(
こがねへび
)
の
聲
(
こゑ
)
がする。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
宮はこの散歩の間に
勉
(
つと
)
めて気を
平
(
たひら
)
げ、色を
歛
(
をさ
)
めて、ともかくも人目を
逭
(
のが
)
れんと計れるなり。されどもこは酒を
窃
(
ぬす
)
みて酔はざらんと欲するに
同
(
おなじ
)
かるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
其
(
その
)
元日も此雪国の元日も
同
(
おなじ
)
元日なれども、
大都会
(
たいとくわい
)
の
繁花
(
はんくわ
)
と
辺鄙
(
へんひ
)
の雪中と
光景
(
ありさま
)
の
替
(
かは
)
りたる事
雲泥
(
うんでい
)
のちがひなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
余は近時潜航艇中に死せる佐久間艇長の遺書を読んで、此ヒロイツクなる文字の、我等と時を
同
(
おなじ
)
くする日本の軍人によつて、器械的の社会の中に
赫
(
かく
)
として一時に燃焼せられたるを喜ぶものである。
文芸とヒロイツク
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぞ
馳
(
はせ
)
られけり又大岡越前守には
同
(
おなじ
)
く六のお太鼓を
相※
(
あひづ
)
に是も御役宅を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかし今度のは——こう謂っちゃ
陋
(
さも
)
しい様ですが——礼金が欲しさに働きましたので、
表面
(
おもてむき
)
はともかく、謂わば貴下に雇われたも
同
(
おなじ
)
でございます。
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そも/\此
輴
(
そり
)
といふ物、雪国第一の用具。
人力
(
じんりき
)
を
助
(
たすくる
)
事船と車に
同
(
おなじ
)
く、
且
(
そのうへ
)
に
作
(
つく
)
る事
最易
(
いとやす
)
きは
図
(
づ
)
を見て知るべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
狂女は不在と聞きて
敢
(
あへ
)
て争はず、
昨日
(
きのふ
)
の如く、ここにて
帰来
(
かへり
)
を待たんとて、
同
(
おなじ
)
き処に同き形して
蹲
(
うづくま
)
れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
旅僧
(
たびそう
)
も
私
(
わたし
)
と
同
(
おなじ
)
く
其
(
そ
)
の
鮨
(
すし
)
を
求
(
もと
)
めたのであるが、
蓋
(
ふた
)
を
開
(
あ
)
けると、ばら/\と
海苔
(
のり
)
が
懸
(
かゝ
)
つた、
五目飯
(
ちらし
)
の
下等
(
かとう
)
なので。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
牝牡
(
めすをす
)
同
(
おなじ
)
く
穴
(
あな
)
に
蟄
(
こも
)
らず、
牝
(
めす
)
の子あるは子とおなじくこもる。其
蔵蟄
(
あなごもり
)
する所は大木の
雪頽
(
なだれ
)
に
倒
(
たふ
)
れて
朽
(
くち
)
たる
洞
(
うろ
)
(なだれの事下にしるす)又は
岩間
(
いはのあひ
)
土穴
(
つちあな
)
、かれが心に
随
(
したがつ
)
て
居
(
を
)
る処さだめがたし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
今
(
いま
)
折曲
(
をりま
)
げた
肱
(
ひぢ
)
の
処
(
ところ
)
へつるりと
垂懸
(
たれかゝ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのは
同
(
おなじ
)
形
(
かたち
)
をした、
巾
(
はゞ
)
が五
分
(
ぶ
)
、
丈
(
たけ
)
が三
寸
(
ずん
)
ばかりの
山海鼠
(
やまなまこ
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
白く千鳥を飛ばした
緋
(
ひ
)
の絹縮みの
脊負上
(
しょいあ
)
げ。しやんと
緊
(
し
)
まった
水浅葱
(
みずあさぎ
)
、
同
(
おなじ
)
模様の帯留で。雪のような
天鵞絨
(
とうてん
)
の緒を、初霜薄き
爪先
(
つまさき
)
に
軽
(
かろ
)
く
踏
(
ふま
)
えた
南部表
(
なんぶおもて
)
、
柾
(
まさ
)
の通った
船底下駄
(
ふなぞこげた
)
。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
極
(
きまり
)
も悪し、
面
(
おもて
)
を背けて店口から奥へ抜けようとすると、
同
(
おなじ
)
く駒下駄を手に提げて裏口からはらりと入って来た、前日の美人とぱったり逢った。袖も
摺合
(
すれあ
)
うばかり敷居で
行違
(
ゆきちが
)
う。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「豪い!」といいさま、
小紋縮緬
(
こもんちりめん
)
で裏が
緞子
(
どんす
)
、
同
(
おなじ
)
く薄ッぺらな羽織を
飜
(
ひら
)
りと
撥
(
は
)
ねて、お納戸地の帯にぐいとさした扇子を抜いて、とんと置くと、ずっと寄って、紙幣を請取り
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
同
(
おなじ
)
町の軒並び二町ばかり
洲崎
(
すさき
)
の方へ寄った角に、浅草紙、
束藁
(
たわし
)
、
懐炉灰
(
かいろばい
)
、
蚊遣香
(
かやりこう
)
などの荒物、
烟草
(
たばこ
)
も封印なしの一銭五厘二銭玉、ぱいれっと、ひーろーぐらいな処を商う店がある
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先生
(
せんせい
)
は
同
(
おなじ
)
一組
(
クラス
)
の
小児達
(
こどもたち
)
を三十人も四十人も
一人
(
ひとり
)
で
可愛
(
かあい
)
がらうとするんだし、
母様
(
おつかさん
)
は
私
(
わたし
)
一人
可愛
(
かあ
)
いんだから、
何
(
ど
)
うして、
先生
(
せんせい
)
のいふことは
私
(
わたし
)
を
欺
(
だま
)
すんでも、
母様
(
おつかさん
)
がいつてお
聞
(
き
)
かせのは
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
人
(
ひと
)
ありて
能
(
よ
)
く
我
(
われ
)
に
學
(
まな
)
ばば、
同
(
おなじ
)
くともに
仙葩
(
せんぱ
)
を
看
(
み
)
ん、と
且
(
か
)
つ
歌
(
うた
)
ひ
且
(
か
)
つ
花
(
はな
)
の
微紅
(
びこう
)
を
噛
(
か
)
む。
昌黎
(
しやうれい
)
敢
(
あへ
)
て
信
(
しん
)
ぜず。
韓湘
(
かんしやう
)
又
(
また
)
館
(
やかた
)
、
階前
(
かいぜん
)
の
牡丹叢
(
ぼたんさう
)
を
指
(
ゆびさ
)
して
曰
(
いは
)
く、
今
(
いま
)
、
根
(
ね
)
あるのみ。
叔公
(
をぢさん
)
もし
花
(
はな
)
を
欲
(
ほつ
)
せば、
我
(
われ
)
乃
(
すなはち
)
開
(
ひら
)
かしめん。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
同
(
おなじ
)
、日曜の
夜
(
よ
)
の事で。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“同”の意味
《名詞》
(ドウ)文書中、叙述が記載である場合の表現。
(出典:Wiktionary)
同
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“同”を含む語句
同胞
同一
同伴
同情
一同
同志
同行
同伴者
同僚
同様
共同
同時
同人
同級
御同伴
異口同音
同衾
同朋町
同年
同腹
...