“南向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みなみむき53.8%
みなみむ46.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お杉は南向みなみむきの縁側によこたえられた。市郎の人工呼吸其他そのたの応急手当が効を奏して、彼女かれは間もなく息を吹き返した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
日当りの好い南向みなみむきの座敷に取り残された二人は急に静かになった。津田は縁側に面して日を受けて坐っていた。清子は欄干らんかんを背にして日にそむいて坐っていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ひとりぐらいは、柳生のつるにも、ああいう変質へんなりの瓜もできてよかろう。——宗矩のごときは、余りに南向みなみむきのやぶ竹でありすぎるからの」
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まことや、ひとんでけむりかべるで、……たれないとると、南向みなみむきながら、ざしもうすい。が、引越ひきこすとすればなんにはらぬ。……をりからいへさがしてた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)