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南向
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みなみむき
ふりがな文庫
“
南向
(
みなみむき
)” の例文
お杉は
南向
(
みなみむき
)
の縁側に
横
(
よこた
)
えられた。市郎の人工呼吸
其他
(
そのた
)
の応急手当が効を奏して、
彼女
(
かれ
)
は間もなく息を吹き返した。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
日当りの好い
南向
(
みなみむき
)
の座敷に取り残された二人は急に静かになった。津田は縁側に面して日を受けて坐っていた。清子は
欄干
(
らんかん
)
を背にして日に
背
(
そむ
)
いて坐っていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
薄暗いから何となく物凄いのだ、その
傍
(
そば
)
の細い
椽側
(
えんがわ
)
を行くと、茶席になるのだが、その
間
(
ま
)
の
矢張
(
やっぱり
)
薄暗い
椽側
(
えんがわ
)
の横に、奇妙にも、仏壇が一つある、その左手のところは、
南向
(
みなみむき
)
に庭を眺めて
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
父は
南向
(
みなみむき
)
の二階座敷を下から
眺
(
なが
)
めて、ガラス障子の穴に気の
附
(
つい
)
たものと見え
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
世は
漸
(
ようや
)
く春めきて青空を渡る風
長閑
(
のどか
)
に、
樹々
(
きぎ
)
の
梢
(
こずえ
)
雪の衣脱ぎ捨て、家々の
垂氷
(
たるひ
)
いつの間にか
失
(
う
)
せ、軒伝う
雫
(
しずく
)
絶間
(
たえま
)
なく白い者
班
(
まばら
)
に消えて、
南向
(
みなみむき
)
の
藁
(
わら
)
屋根は
去年
(
こぞ
)
の顔を今年初めて
露
(
あらわ
)
せば、
霞
(
かす
)
む
眼
(
め
)
の
老
(
おい
)
も
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
南向
(
みなみむき
)
の窓の硝子越しに
梅原良三郎氏のモンマルトルの画室
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
冬子も一時は失神の
態
(
さま
)
であったが、これも市郎の手当に
因
(
よっ
)
て回復して、
南向
(
みなみむき
)
の座敷に
俯向
(
うつむ
)
いて坐っていた。
傍
(
そば
)
には安行と市郎の二人が
同
(
おなじ
)
く黙って坐っていた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
六畳の座敷は
南向
(
みなみむき
)
で、拭き込んだ
椽側
(
えんがわ
)
の
端
(
はじ
)
に
神代杉
(
じんだいすぎ
)
の
手拭懸
(
てぬぐいかけ
)
が置いてある。
軒下
(
のきした
)
から丸い
手水桶
(
ちょうずおけ
)
を鉄の
鎖
(
くさり
)
で釣るしたのは
洒落
(
しゃ
)
れているが、その下に
一叢
(
ひとむら
)
の
木賊
(
とくさ
)
をあしらった所が一段の
趣
(
おもむき
)
を添える。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
午前十時、初冬の日は
愈
(
いよい
)
よ暖かく
麗
(
うらら
)
かになって、白い霜の消えて行く地面からは、
遠近
(
おちこち
)
に軽い煙を噴いていた。
南向
(
みなみむき
)
の小屋の前には、二三枚の
莚
(
むしろ
)
が拡げて乾してあった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
南
常用漢字
小2
部首:⼗
9画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“南”で始まる語句
南
南瓜
南京
南無阿弥陀仏
南無
南風
南蛮
南部
南天
南無三