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みなみむ
梅はもと/\
土地の
乾いた
日當りのよいところに
適し、
陰地には、ふさはない
木ですから、
梅林を
作るには、なるべく
南向きで
土地の
傾斜したところがよいのです。
さう
呟きながら、
私は
部屋の
隅から
枕を
巡らして、
明るい
障子の
方にその
面を
向けた。
南向きといふ
事は
何といふ
幸福な
事であらう、それは
冬の
滋養を
大半領有する。
紫の
香煙が、ひともとすなおに
立昇って、
南向きの
座敷は、
硝子張の
中のように
暖かい。