“硝子張”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ガラスばり43.8%
がらすばり25.0%
ガラスば12.5%
がらすはり6.3%
がらすば6.3%
ギヤマンばり6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
樹を見ても家を見ても往来を歩く人間を見てもあざやかに見えながら、自分だけ硝子張ガラスばりの箱の中に入れられて、外の物とじかに続いていない心持が絶えずして
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
表に待つてゐた三四郎が、気が付いて見ると、店先みせさき硝子張がらすばりたなに櫛だの花簪はなかんざしだのがならべてある。三四郎は妙に思つた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いつも日あたりのいい縁側だとか、そこから廊下つづきになった硝子張ガラスばりの細工場さいくばだとかが、——一つ一つ別々に浮んでくるきりである。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
其建物そのたてものをいへば松田まつだ寿仙じゆせん跡也あとなり常磐ときは萬梅まんばい跡也あとなり今この両家りやうけにんまへ四十五銭と呼び、五十銭と呼びて、ペンキぬり競争きやうそう硝子張がらすはり競争きやうそうのきランプ競争きやうそう火花ひばならし候由そろよしそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
ふと繪葉書屋ゑはがきやおもてにつり出した硝子張がらすばりのがくの中にるともないをとめると、それはみんななにがし劇場げきぢやう女優ぢよいうの繪葉書で、どれもこれもかね/″\見馴みなれた素顏すがほのでした。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
むらさき香煙こうえんが、ひともとすなおに立昇たちのぼって、南向みなみむきの座敷ざしきは、硝子張ギヤマンばりなかのようにあたたかい。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)