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硝子張
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ガラスばり
ふりがな文庫
“
硝子張
(
ガラスばり
)” の例文
樹を見ても家を見ても往来を歩く人間を見ても
鮮
(
あざや
)
かに見えながら、自分だけ
硝子張
(
ガラスばり
)
の箱の中に入れられて、外の物と
直
(
じか
)
に続いていない心持が絶えずして
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それさへも今日は善意な
一瞥
(
いちべつ
)
らしく思へた。何もかもが調子の好い日だ。いつの間にか高い
硝子張
(
ガラスばり
)
の屋根から秋の日光が直射し出した。と、軈て昼飯のブウが鳴り渡る。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
もっともそのお客さんは、
硝子張
(
ガラスばり
)
の調剤室の中で動いている女幽霊を幽霊とは思わないで、それはこの薬局の婦人薬剤師だと思ったので、外から声をかけたのであった。
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
硝子張
(
ガラスばり
)
の障子を漏れる
火影
(
ほかげ
)
を受けているところは、
家内
(
やうち
)
を
覘
(
うかが
)
う曲者かと怪まれる……ザワザワと庭の
樹立
(
こだち
)
を
揉
(
も
)
む夜風の余りに顔を吹かれて、文三は
慄然
(
ぶるぶる
)
と身震をして
起揚
(
たちあが
)
り
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
小さな
硝子張
(
ガラスばり
)
の箱に鯛などの形した干菓子の入つたのが有りましたから、それを二箱買つて、一つを子供の手に握らせると、それで機嫌が直つて、私の行く方へ隨いて來ました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
通路は環状になっていて、手前に
欄干
(
らんかん
)
があり、前が厚い
硝子張
(
ガラスばり
)
の横に長い窓になっていた。通路を
一巡
(
いちじゅん
)
すれば、上下相当の視角にわたって四方八方が見渡せるのであった。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
合わす
瞳
(
ひとみ
)
の底に露子の青白い肉の落ちた頬と、
窪
(
くぼ
)
んで
硝子張
(
ガラスばり
)
のように
凄
(
すご
)
い眼がありありと写る。どうも病気は
癒
(
なお
)
っておらぬらしい。しらせはまだ来ぬが、来ぬと云う事が安心にはならん。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
硝
常用漢字
中学
部首:⽯
12画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“硝子”で始まる語句
硝子
硝子戸
硝子窓
硝子扉
硝子越
硝子杯
硝子玉
硝子盃
硝子壜
硝子障子