“物柔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ものやはら38.5%
ものやは15.4%
ものやはらか15.4%
ものやさ7.7%
ものやわ7.7%
ものやわら7.7%
ものやわらか7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒あばたで思ひ切つてみにくい男ですが、その代り物柔ものやはらかで腰が低くて、丈夫さうで、典型的な頼母しい奉公人です。
この窓掛が作つてゐる隣りの客間の人々との隔りは僅かであつたが、人々は低い聲で話してゐるので、その話聲は、物柔ものやはらかな囁き聲以上には聽き分けられなかつた。
年紀としかい、二十五だと聞いたが、さう、やうやう二三とよりは見えんね。あれで可愛かはゆい細い声をして物柔ものやはらかに、口数くちかずすくなくつて巧いことをいふこと、恐るべきものだよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
以前から見ると面差おもざしおだやかになって、取別とりわけて児供に物をいう時は物柔ものやさしく、こうして親子夫婦並んだ処は少しも危険人物らしくも革命家らしくもなかった。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
院長いんちょうのアンドレイ、エヒミチは玄関げんかんから病室びょうしつなか覗込のぞきこんで、物柔ものやわらかにうのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
峠で竜之助を苦しめた雨は、ここの中庭の植込をも物柔ものやわらかに濡らしている。関の小万の涙雨は、どちらへ降っても人に物を思わせると見えます。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)