物柔ものやは)” の例文
この窓掛が作つてゐる隣りの客間の人々との隔りは僅かであつたが、人々は低い聲で話してゐるので、その話聲は、物柔ものやはらかな囁き聲以上には聽き分けられなかつた。
院長ゐんちやうのアンドレイ、エヒミチは玄關げんくわんから病室びやうしつなか覗込のぞきこんで、物柔ものやはらかにふのでつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)