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耻
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はぢ
ふりがな文庫
“
耻
(
はぢ
)” の例文
阿父さんはこの家業を不正でないとお言ひなさるが、実に世間でも地獄の獄卒のやうに憎み
賤
(
いやし
)
んで、附合ふのも
耻
(
はぢ
)
にしてゐるのですよ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
わが
日頃
(
ひごろ
)
の
誓
(
ちかひ
)
に
反
(
そむ
)
くものなれば
仰
(
おほ
)
せなれども
御免下
(
ごめんくだ
)
されたし、
好
(
この
)
みてするものはなき
賤
(
いや
)
しき
業
(
わざ
)
の、わが身も
共々
(
とも/″\
)
に
牛馬
(
ぎうば
)
に
比
(
ひ
)
せらるゝを
耻
(
はぢ
)
ともせず
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「あつしの
耻
(
はぢ
)
なんざ三年でも五年でも我慢しますが、この樣子では曲者は、次の
惡企
(
わるだく
)
みを考へてゐるに違ひありません」
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
朝日
(
あさひ
)
かげ
玉
(
たま
)
だれの
小簾
(
をす
)
の
外
(
と
)
には
耻
(
はぢ
)
かヾやかしく、
娘
(
むすめ
)
とも
言
(
い
)
はれぬ
愚物
(
ばか
)
などにて、
慈悲
(
じひ
)
ぶかき
親
(
おや
)
の
勿体
(
もつたい
)
をつけたる
拵
(
こしら
)
へ
言
(
ごと
)
かも
知
(
し
)
れず、
夫
(
そ
)
れに
乘
(
の
)
りて
床
(
ゆか
)
しがるは
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼
(
かれ
)
は
坂井
(
さかゐ
)
の
家
(
いへ
)
に、たゞ
苟
(
いやし
)
くも
免
(
まぬ
)
かれんとする
料簡
(
れうけん
)
で
行
(
い
)
つた。さうして、
其
(
その
)
目的
(
もくてき
)
を
達
(
たつ
)
するために、
耻
(
はぢ
)
と
不愉快
(
ふゆくわい
)
を
忍
(
しの
)
んで、
好意
(
かうい
)
と
眞率
(
しんそつ
)
の
氣
(
き
)
に
充
(
み
)
ちた
主人
(
しゆじん
)
に
對
(
たい
)
して、
政略的
(
せいりやくてき
)
に
談話
(
だんわ
)
を
驅
(
か
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
星の如く
慄
(
ふる
)
ふわが
耻
(
はぢ
)
の身の
觸
(
ふ
)
れたらば
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
長命
(
ながいき
)
や、
耻
(
はぢ
)
かい、地獄の夕焼
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蒼ざめがほの
耻
(
はぢ
)
のおも
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
けふ見かへせば
耻
(
はぢ
)
と
死
(
しに
)
都喜姫
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
常に
耻
(
はぢ
)
と、恨みと
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
貴方からそんなに
嫌
(
きら
)
はれてゐるのですから、私もさう何時まで好い
耻
(
はぢ
)
を掻かずとも、早く立派に断念して了へば
宜
(
よ
)
いのです。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
つくづく思へば
無情
(
つれなし
)
とても
父様
(
ととさま
)
は
真実
(
まこと
)
のなるに、我れはかなく成りて宜からぬ名を人の耳に伝へれば、残れる
耻
(
はぢ
)
は
誰
(
た
)
が上ならず、
勿躰
(
もつたい
)
なき身の覚悟と心の
中
(
うち
)
に
詫言
(
わびごと
)
して
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
わけのわからぬ事をわめくと、お小夜の手は
鈎
(
かぎ
)
の如く曲つて、十本の指は、喉から胸へと、滅茶々々に掻きむしりながら、
耻
(
はぢ
)
も外聞もなく、その邊をのた打ち廻るのです。
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
兎
(
うさぎ
)
ァ
怒
(
おこ
)
るし、
蟹
(
かに
)
ァ
耻
(
はぢ
)
ょかくし
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
うつし世の命を
耻
(
はぢ
)
の
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「私はもしも
遣損
(
やりそこな
)
つて、
耻
(
はぢ
)
でも
曝
(
さら
)
すやうな事が有つちやと、それが苦労に成つて
耐
(
たま
)
らなかつたんだから、これでもう可いわ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
あのお孃さんと言ふのは、恐ろしく取すまして居るくせに、日本一の轉婆娘でした、私を一日一と晩おもちやにして、散々
耻
(
はぢ
)
を掻かせた上、ポイと放り出してしまつたんです。
銭形平次捕物控:270 転婆娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この
樣
(
やう
)
の
取次
(
とりつぎ
)
するなとさへ
仰
(
おつ
)
しやりし
無情
(
つれな
)
さ、これ
程
(
ほど
)
の
耻
(
はぢ
)
を
見
(
み
)
て
我
(
わ
)
れ
男
(
をとこ
)
の
身
(
み
)
の、をめをめお
邸
(
やしき
)
に
居
(
を
)
られねば、
暇
(
いとま
)
を
賜
(
たま
)
はりて
歸國
(
きこく
)
すべけれど、
聞
(
き
)
き
給
(
たま
)
へ
我
(
わ
)
れ
田舍
(
ゐなか
)
には
兩親
(
りやうしん
)
もなく
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
うつし世の命を
耻
(
はぢ
)
の
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
それはお前が嫌やだといふのも知れてるけれども
何卒
(
どうぞ
)
我
(
お
)
れの肩を持つて、横町組の
耻
(
はぢ
)
をすすぐのだから、ね、おい、本家本元の唱歌だなんて威張りおる正太郎を
取
(
とつ
)
ちめてくれないか
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「下谷淺草の若い者で、お銀さんを知らなきや——男の
耻
(
はぢ
)
だとね」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
我
(
わ
)
れには
有
(
あ
)
らぬ
親
(
おや
)
の
昔
(
むか
)
し、
語
(
かた
)
るまじき
事
(
こと
)
と
我
(
わ
)
れも
秘
(
ひ
)
め、
父君
(
ちヽぎみ
)
は
更
(
さら
)
なり
母君
(
はヽぎみ
)
にも
家
(
いへ
)
の
耻
(
はぢ
)
とて
世
(
よ
)
に
包
(
つヽ
)
むを、
聞
(
き
)
かせ
參
(
まゐ
)
らするではなけれど、一
生
(
しやう
)
に一
度
(
ど
)
の
打明
(
うちあ
)
け
物
(
もの
)
がたり、
聞
(
きい
)
て
給
(
たま
)
はれ
憂
(
う
)
き
身
(
み
)
の
素性
(
すじやう
)
と
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「チエツ、親分の氣も知らねえで、勝手に
耻
(
はぢ
)
を掻きやがれ」
銭形平次捕物控:157 娘の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お樂はツイ
耻
(
はぢ
)
も忘れて、聲を立てゝ泣きます。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さすがに
耻
(
はぢ
)
らう風情で操は首を垂れます。
銭形平次捕物控:203 死人の手紙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お萬の
耻
(
はぢ
)
らひはなか/\です。
銭形平次捕物控:303 娘の守袋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
耻
部首:⽿
10画
“耻”を含む語句
羞耻
耻辱
耻入
羞耻心
可耻
破廉耻
廉耻
無耻
生耻
破廉耻漢
氣耻
気耻
老耻
死耻
耻掻
耻晒
耻曝
愧耻