羞恥はじら)” の例文
いわれないでも、初めから、姫はなにか羞恥はじらい顔におかしさをまぎらせている姿だった。高氏はいそいで、もいちど、辞儀をし直した。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぼくは羞恥はじらいで顔をまッ赤にしていた。医師へではなく、ぼくの腰やら胸の肌をいたわりつつ仕舞ってくれる看護婦たちの白い手に対してである。
義経は、一人となると、なお、生れて初めて会った兄に対して、処女おとめのような羞恥はじらいと、遠慮を抱いた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
半兵衛は、主君としていっているのに——妹のそうした羞恥はじらいを見ると、場所がらのせいか、何かみだりがましい気がして、もう優しいことばをかける気もしなくなった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(ああよかった)というように娘は安堵あんどの色を見せ、同時にすこし羞恥はじらいもしている容子ようす
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貂蝉は、それへ来て、ただ羞恥はじらっていた。董卓は、杯を与えて
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
子龍は、大いに羞恥はじらって
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)