“上辷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うわすべ83.3%
うわず16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或は苦労が上辷うわすべりをして心にみないように、何時迄いつまで稚気おさなぎの失せぬお坊さんだちの人もあるが、大抵は皆私のように苦労にげて、年よりは老込んで、意久地いくじなく所帯染しょたいじみて了い
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そして或る時には、からす真似まねをするように、罪人らしく自分の罪を上辷うわすべりに人と神との前に披露ひろうもした。私は私らしく神を求めた。どれ程完全な罪人の形に於て私はそれをなしたろう。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
上辷うわずった声が、さっと、後ろへ退いたとき、庄次郎の丸ッこい体が、横ッ飛びに、原を駈けていた。だが、突き当りに、寺の垣があって、咄嗟とっさに越せなかった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)