“所帯染”の読み方と例文
旧字:所帶染
読み方割合
しょたいじ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人並に血気はさかんだったから、我より先に生れた者が、十年二十年世の塩を踏むと、百人が九十九人まで、みんなじめじめと所帯染しょたいじみて了うのを見て、意久地いくじの無い奴等だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
或は苦労が上辷うわすべりをして心にみないように、何時迄いつまで稚気おさなぎの失せぬお坊さんだちの人もあるが、大抵は皆私のように苦労にげて、年よりは老込んで、意久地いくじなく所帯染しょたいじみて了い
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そんな平凡な生活をする位なら、いっそ首でもくくって死ンじまえ、などと蔭では嘲けったものだったが、嘲けっているうちに、自分もいつしか所帯染しょたいじみて、人に嘲けられる身の上になって了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)