“しょたいじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
世帯染87.5%
所帯染12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蛍雪が姉娘のお千代を世帯染しょたいじみた主婦役にいためつけながら、妹のお絹に当世の服装みなりぜいを尽させ、芝の高台のフランスカトリックの女学校へ通わせてほくほくしているのも
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
柳橋やなぎばし左褄ひだりづまとったおしゅんという婀娜物あだものではあるが、今はすっかり世帯染しょたいじみた小意気な姐御あねごで、その上心掛の至極いゝたちで、弟子や出入ではいるものに目をかけますから誰も悪くいうものがない。
人並に血気はさかんだったから、我より先に生れた者が、十年二十年世の塩を踏むと、百人が九十九人まで、みんなじめじめと所帯染しょたいじみて了うのを見て、意久地いくじの無い奴等だ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
或は苦労が上辷うわすべりをして心にみないように、何時迄いつまで稚気おさなぎの失せぬお坊さんだちの人もあるが、大抵は皆私のように苦労にげて、年よりは老込んで、意久地いくじなく所帯染しょたいじみて了い
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そんな平凡な生活をする位なら、いっそ首でもくくって死ンじまえ、などと蔭では嘲けったものだったが、嘲けっているうちに、自分もいつしか所帯染しょたいじみて、人に嘲けられる身の上になって了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)