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いろをとこ
あつとも
言はず、
色男、
搖るやうにわな/\と
身をくねると、がつくりと
成つて、
腰から
先へ、べた/\と
膝が
崩れる。
自分で
許す
色男が、
思ひをかけて
屆かぬ
婦を、
恁うして
人に
誇る
術は
隨分數へ
切れないほどあるのである。
何うで
我れは
此樣な
活地なし、
馬車は
思ひも
寄らぬ
事、
此後辻車ひくやら
知れた
物で
無ければ、
今のうち
身の
納りを
考へて、
利口で
物の
出來る、
學者で
好男子で、
年の
若いに
乘かへるが
隨一であらう