色男いろをとこ)” の例文
つたく、近頃ちかごろ天津てんしん色男いろをとこ何生なにがしふもの、二日ふつかばかりやしきけた新情人しんいろもとから、午後二時半頃こごにじはんごろばうとしてかへつてた。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あら、辰つアんなの、いやに色男いろをとこえたからさ……ゐるわよ、どうぞ。」
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
あつともはず、色男いろをとこゆすぶるやうにわな/\とをくねると、がつくりとつて、こしからさきへ、べた/\とひざくづれる。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自分じぶんゆる色男いろをとこが、おもひをかけてとゞかぬをんなを、うしてひとほこすべ隨分ずゐぶんかぞれないほどあるのである。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
怒鳴どなつた。うちてきありとて、ぐにいのしゝごと飛込とびこまないのが、しかし色男いろをとこ身上しんしやうであるとおもへ。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
渾名あだなとび鳥逕てうけいつたが、厚眉こうび隆鼻りうびハイカラのクリスチヤンで、そのころ拂方町はらひかたまち教會けうくわい背負しよつてつた色男いろをとこで……おとうさんの立派りつぱ藏書ざうしよがあつて、わたしたちはよくりた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かつまたおな一國一城いつこくいちじやうあるじるにも猛者もさ夜撃朝懸ようちあさがけとはたちちがふ。色男いろをとここなしは、じやうふくんで、しめやかに、ものやさしく、にしみ/″\としたふう天晴武者振あつぱれむしやぶりであるのである。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
したがつて、ころ巷談こうだんには、車夫くるまや色男いろをとこ澤山たくさんあつた。一寸ちよつと岡惚をかぼれをされることは、やがて田舍ゐなかまはりの賣藥行商ばいやくぎやうしやうのち自動車じどうしや運轉手うんてんしゆゆづらない。立志りつし美談びだん車夫しやふなんとかがざらにあつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「へい。」と、おもはずくちたのを、はつとふたする色男いろをとこしのびのてい喝采やんやながら、たちまで、ひくはなおほはねばらなかつたのは、あたかたせられたところが、かはやまへ、はうであらう。
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自分じぶんゆる色男いろをとこが、おもひをかけてとゞかぬをんなを、かうしてひとほこは。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ほゝゝ、色男いろをとこや、貴女あなた馴染なじんでからちやう半年はんとしりますわね。御新造ごしんぞ馴染なじんでからも半年はんとしよ。貴方あなたわたしもとるうちは、何時いつでも此方こちらたの。あら、あんなかほをしてさ。一寸ちよいと色男いろをとこ
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)