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いろおとこ
ふりがな文庫
“
情夫
(
いろおとこ
)” の例文
金持ちの権勢家、
業突張
(
ごうつくば
)
りの水茶屋養母、その犠牲になる若い娘、その娘の
情夫
(
いろおとこ
)
。ちゃんと筋立てが出来てらあ、物語の筋にある奴よ。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
十六の年には、
賭博師
(
いかさまし
)
の
情夫
(
いろおとこ
)
を持って、男に
唆
(
そそのか
)
されてマルセーユに出奔して、
曖昧
(
あいまい
)
屋の前借りを踏み倒して訴えられている。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
定「女物の襟へ手紙を入れて置くのは訝しい訳でございますが、
情夫
(
いろおとこ
)
の処へでも遣るのでございましょう」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「とにかく、あの娘の
情夫
(
いろおとこ
)
は皆んな怪しいと思って間違いはありませんよ、大変な娘があったものさ」
銭形平次捕物控:039 赤い痣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「去年、旦那が
死歿
(
なくな
)
って、朝夕淋しくお暮しだろう。慈善だの、何だのと、世間体はよしにして、
情夫
(
いろおとこ
)
でも御稼ぎなさいな。私やもう帰ります。」と、襟
掻合
(
かきあわ
)
して立上り
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
婦人はある時
伊太利
(
イタリー
)
語を彫りつけた
葉巻入
(
はまきいれ
)
をこの小説家に贈つた所が、フロウベエルは小説の女主人公が自分の
情夫
(
いろおとこ
)
に贈物をする時に、その伊太利語をその
儘
(
まゝ
)
借用させた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
(一同へ)あら、いらっしゃい——日本の水兵さんは、みんなロシア娘の
情夫
(
いろおとこ
)
なんですとさ。
安重根:――十四の場面――
(新字新仮名)
/
谷譲次
、
林不忘
(著)
「何ですか。料理屋とか、待合とかの女中と、
情夫
(
いろおとこ
)
との
間
(
なか
)
に出来た子だそうですよ。子供がないから、貰って来たっていうんですけれど、何だか解りゃしませんよ。こちらへはちょいちょい伺いますの。」
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
(畜生——、あの化粧問屋の
情夫
(
いろおとこ
)
に、逢いに行くんだな……)
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「婚約者やいうのんか。なんや、つまり
情夫
(
いろおとこ
)
のことやな」
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
でもマアせいぜい三月だろう、ナーニこの里へ帰って来るよ、
情夫
(
いろおとこ
)
の太兵衛が糸をあやつり、させる
所業
(
しわざ
)
に相違ないよ
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
小瀧
(
こたき
)
と云う芸者は、もと東京浅草
猿若町
(
さるわかまち
)
に居りまして、大層お客を取りました芸者で、まだ年は二十一でございますが、
悪智
(
あくち
)
のあるもので、
情夫
(
いろおとこ
)
ゆえに借金が出来て
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女房もあり、
情婦
(
いろ
)
もあり、娘も有る。地位も名誉も段違いの先生だ。酒井俊蔵を夫と思え、
情夫
(
いろおとこ
)
と思え、早瀬主税だと思って、言いたいことを言え、したいことをしろ、不足はあるまい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
張首明 (安重根の顔を剃りながら)
情夫
(
いろおとこ
)
でも乗ってるというのかい。
安重根:――十四の場面――
(新字新仮名)
/
谷譲次
、
林不忘
(著)
這入って来たのは村上松五郎と云うお瀧の
情夫
(
いろおとこ
)
で、其の時分は未だ髷が有りました。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
年紀
(
とし
)
は若し、
容色
(
きりょう
)
は
佳
(
よ
)
し、なるほど操は守られますまい、
可
(
よ
)
し
情夫
(
いろおとこ
)
が千人あろうと、
姦夫
(
まおとこ
)
をなさろうと、それは貴女の御勝手だが、
人殺
(
ひとごろし
)
をしても仁者と謂われ、
盗人
(
どろぼう
)
をしても善人と謂われて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
不図
(
ふと
)
深い中になりましたが、三十九歳になる者が、二十一歳になる若い男と訳があって見ると、息子のような、亭主のような、
情夫
(
いろおとこ
)
の様な、弟の様な情が合併して、さあ新吉が段々かわいゝから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母「むゝう……じゃア何か
情夫
(
いろおとこ
)
を連れやアがって駈落いして来たか」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
“情”で始まる語句
情
情婦
情人
情誼
情緒
情事
情合
情景
情死
情無