いろ)” の例文
「ふうん、脱疽云うたら、そんなに痛いもんかいな。———やっぱり耳をいろうたのが原因でそないなったんやろか」
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
よる更けて、夜毎に僕は酒場へ通つた。僕の飲む酒はいつもコニャック。様様な苦心をして、チャラチャラと衣嚢かくしいろふ数個の銀貨を、例外なしにみんなコニャックに代へてしまふ。
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)