“手弄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てなぐさ68.8%
てなぐさみ6.3%
てなぶ6.3%
てまさぐ6.3%
てまさぐり6.3%
イヂクリ6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或は悪魔の手弄てなぐさみか、実際この十姉妹の流行は、一時天下を風靡した万年青おもとと同じく、不可解な魅力を以って、四国を発端にして中国近畿
十姉妹 (新字新仮名) / 山本勝治(著)
「大きな事を言やがる。お上の御用をうけたまはる者が、手弄てなぐさみなどしちやならねえと、あれほどやかましく言つて居るぢやないか」
ふたさげの——もうこの頃では、山の爺がむ煙草がバットで差支えないのだけれど、事実を報道する——根附ねつけの処を、独鈷とっこのように振りながら、煙管きせる手弄てなぶりつつ、ぶらりと降りたが
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
宮は言ふところを知らず、わづかに膝の上なる紅絹もみ手弄てまさぐるのみ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
荒尾譲介は席のあたたまひま手弄てまさぐりに放ちもらぬ下髯したひげの、長く忘れたりし友の今を如何いかにとるにいそがしかり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
碎いたり捏ねたりして手弄イヂクリ𢌞すとは普通人の忍びないとする所であるのに、之を敢行するに至る原因は抑も如何なる心理より生ずるかが問題となるのである。
天津教古文書の批判 (旧字旧仮名) / 狩野亨吉(著)