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色
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いろ
ふりがな文庫
“
色
(
いろ
)” の例文
そして、コップの
中
(
なか
)
にはいった、
緑
(
みどり
)
・
青
(
あお
)
・
赤
(
あか
)
、いろいろの
酒
(
さけ
)
の
色
(
いろ
)
に、ぼんやり
見
(
み
)
とれていますと、うとうとと
居眠
(
いねむ
)
りをしたのでした。
銀のつえ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
色
(
いろ
)
と
言
(
い
)
ひ、また
雪
(
ゆき
)
の
越路
(
こしぢ
)
の
雪
(
ゆき
)
ほどに、
世
(
よ
)
に
知
(
し
)
られたと
申
(
まを
)
す
意味
(
いみ
)
ではないので——
此
(
これ
)
は
後言
(
くりごと
)
であつたのです。……
不具
(
かたは
)
だと
言
(
い
)
ふのです。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
頃
(
ころ
)
良人
(
おっと
)
はまだ
若
(
わこ
)
うございました。たしか二十五
歳
(
さい
)
、
横縦
(
よこたて
)
揃
(
そろ
)
った、
筋骨
(
きんこつ
)
の
逞
(
たくま
)
ましい
大柄
(
おおがら
)
の
男子
(
おとこ
)
で、
色
(
いろ
)
は
余
(
あま
)
り
白
(
しろ
)
い
方
(
ほう
)
ではありません。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
飛
(
と
)
ぶときはその
翅
(
はね
)
が
實
(
じつ
)
に
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
に
閃
(
ひらめ
)
きます。この
鳥
(
とり
)
は
羽
(
はね
)
も
綺麗
(
きれい
)
ですが、
鳴
(
な
)
き
聲
(
ごゑ
)
も
美
(
うつく
)
しく、「ぶっ、ぽう、そう」と
鳴
(
な
)
きつゞけます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
紫は
鳩
(
はと
)
の胸毛の如くに美しくも
色
(
いろ
)
褪
(
さ
)
めたるもの、また緑は流るる水の緑なるが如く、藍は藍
染
(
ぞ
)
めの布の裏地を見る
心地
(
ここち
)
にも
譬
(
たと
)
へんか。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
しばらく
黙然
(
もくねん
)
として三千代の顔を見てゐるうちに、女の
頬
(
ほゝ
)
から
血
(
ち
)
の
色
(
いろ
)
が次第に
退
(
しり
)
ぞいて
行
(
い
)
つて、普通よりは
眼
(
め
)
に付く程
蒼白
(
あをしろ
)
くなつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
御主
(
おんあるじ
)
耶蘇様
(
イエスさま
)
は
百合
(
ゆり
)
のやうにお
白
(
しろ
)
かつたが、
御血
(
おんち
)
の
色
(
いろ
)
は
真紅
(
しんく
)
である。はて、
何故
(
なぜ
)
だらう。
解
(
わか
)
らない。きつと
何
(
なに
)
かの
巻物
(
まきもの
)
に
書
(
か
)
いてある
筈
(
はず
)
だ。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
李克
(
りこく
)
曰
(
いは
)
く、『
起
(
き
)
は
貪
(
たん
)
にして
色
(
いろ
)
を
好
(
この
)
む。
然
(
しか
)
れども
兵
(
へい
)
を
用
(
もち
)
ふるは、
司馬穰苴
(
しばじやうしよ
)
も
過
(
す
)
ぐる
能
(
あた
)
はざる
也
(
なり
)
』と。
是
(
ここ
)
に
於
(
おい
)
て
魏
(
ぎ
)
の
文矦
(
ぶんこう
)
以
(
もつ
)
て
將
(
しやう
)
と
爲
(
な
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
『
譽
(
ほ
)
められても
嬉
(
うれ
)
しくはないぞ。
玄竹
(
げんちく
)
、それより
何
(
なに
)
か
面白
(
おもしろ
)
い
話
(
はなし
)
でもせんか。』と、
但馬守
(
たじまのかみ
)
の
顏
(
かほ
)
には、どうも
冴
(
さ
)
え
切
(
き
)
らぬ
色
(
いろ
)
があつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
シューラはおいおい
泣
(
な
)
いた。あたりのものがばら
色
(
いろ
)
の
靄
(
もや
)
に
包
(
つつ
)
まれて、ふわふわ
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
した。もの
狂
(
くる
)
おしい
屈辱感
(
くつじょくかん
)
に気が
遠
(
とお
)
くなったのだ。
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
何
(
なん
)
というよい
花
(
はな
)
だろう。
白
(
しろ
)
い
花
(
か
)
べんがふかぶかとかさなりあい、
花
(
か
)
べんの
影
(
かげ
)
がべつの
花
(
か
)
べんにうつって、ちょっとクリーム
色
(
いろ
)
に
見
(
み
)
える。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
山
(
やま
)
がたといひ
出
(
だ
)
して、
土地
(
とち
)
の
樣子
(
ようす
)
からその
性質
(
せいしつ
)
を
述
(
の
)
べて、そこに
青々
(
あを/\
)
と
芽
(
め
)
を
出
(
だ
)
した
野菜
(
やさい
)
の
色
(
いろ
)
を、
印象深
(
いんしようぶか
)
くつかんで、
示
(
しめ
)
してゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
苺
(
いちご
)
の
色
(
いろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
可笑
(
をか
)
しな罪の恥と
赤面
(
せきめん
)
、
苺
(
いちご
)
の色の
薔薇
(
ばら
)
の花、おまへの
上衣
(
うはぎ
)
を、ひとが
揉
(
も
)
みくちやにした、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
色
(
いろ
)
よい
返事
(
へんじ
)
を
認
(
したた
)
めたおせんの
文
(
ふみ
)
を、
見
(
み
)
せろ
見
(
み
)
せないのいさかいに、しばし
心
(
こころ
)
を
乱
(
みだ
)
していたが、この
上
(
うえ
)
の
争
(
あらそ
)
いは
無駄
(
むだ
)
と
察
(
さっ
)
したのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
重治は、いつか
病
(
やまい
)
も忘れたように、
耳朶
(
じだ
)
をほの紅くしながら、秀吉のために説き来り説き去って、ほとんど
倦
(
う
)
む
色
(
いろ
)
も見えなかった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一
緒
(
しよ
)
に
飯
(
めし
)
なぞ
食
(
た
)
べると、
彼
(
かれ
)
はいつでも
心
(
こゝろ
)
の
空虚
(
くうきよ
)
を
訴
(
うつた
)
へるやうな
調子
(
てうし
)
でありながら、さう
言
(
い
)
つて
寂
(
さび
)
しい
顔
(
かほ
)
に
興奮
(
こうふん
)
の
色
(
いろ
)
を
浮
(
うか
)
べてゐた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
女
(
おんな
)
にもしてみたいほどの
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
児
(
こ
)
で、
優
(
やさ
)
しい
眉
(
まゆ
)
、すこし
開
(
ひら
)
いた
脣
(
くちびる
)
、
短
(
みじか
)
いうぶ
毛
(
げ
)
のままの
髪
(
かみ
)
、
子供
(
こども
)
らしいおでこ——すべて
愛
(
あい
)
らしかった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
やゝ
暫
(
しばら
)
くすると大きな無花果の
實
(
み
)
が
少年
(
こども
)
の
頬
(
ほゝ
)
の上に
落
(
お
)
ちた。
見
(
み
)
るからして
菫
(
すみれ
)
の
色
(
いろ
)
つやゝかに
蜜
(
みつ
)
のやうな
香
(
かほり
)
がして
如何
(
いか
)
にも
甘味
(
うま
)
さうである。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
また心
憂
(
う
)
き事
侍
(
はべ
)
りき、その大臣の娘
座
(
おわ
)
しき、
色
(
いろ
)
容
(
かたち
)
愛
(
めで
)
たく世に
双人
(
ならぶひと
)
なかりき、
鑑真
(
がんじん
)
和尚の、この人千人の男に逢ひ給ふ相
座
(
おわ
)
すと
宣
(
のたま
)
はせしを
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
奥村氏の家は青銅
色
(
いろ
)
に塗られしものにて、
突出
(
つきだ
)
されたる
楼上
(
ろうじやう
)
の
間
(
ま
)
の
八方
(
はつぱう
)
は支那
簾
(
すだれ
)
に囲はれ、一
間
(
けん
)
二
間
(
けん
)
それの掲げられたるより
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
花前は
色
(
いろ
)
も動きはしない。もとより一
言
(
ごん
)
ものをいうのでない。
主人
(
しゅじん
)
や
細君
(
さいくん
)
とはなんらの
交渉
(
こうしょう
)
もないふうで、つぎの黒白まだらの牛にかかった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
私は
草
(
くさ
)
の中へ
腰
(
こし
)
を降ろすと
煙草
(
たばこ
)
を取り出した。
妻
(
つま
)
も私の
横
(
よこ
)
へ
座
(
すわ
)
つて落ちついたらしく、
暮
(
くれ
)
て行く空の
色
(
いろ
)
を
眺
(
なが
)
めてゐた。——
美しい家
(新字旧仮名)
/
横光利一
(著)
畢竟
(
ひつきやう
)
十
人
(
にん
)
十
色
(
いろ
)
で、
決
(
けつ
)
して一
律
(
りつ
)
には
行
(
ゆ
)
かぬもので
食
(
しよく
)
の
本義
(
ほんぎ
)
とか
理想
(
りそう
)
とかを
説
(
と
)
いて
見
(
み
)
た
處
(
ところ
)
で
實際問題
(
じつさいもんだい
)
としては
餘
(
あま
)
り
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
たぬ。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
美しく
描
(
えが
)
かれた梅や
牡丹
(
ぼたん
)
や菊や
紅葉
(
もみじ
)
の花ガルタは、その晩から一雄の六
色
(
いろ
)
の色鉛筆で惜しげもなく
彩
(
いろど
)
られてしまいました。
祖母
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
誰
(
だれ
)
か
自分
(
じぶん
)
の
所
(
ところ
)
に
來
(
き
)
たのでは
無
(
な
)
いか、
自分
(
じぶん
)
を
尋
(
たづ
)
ねてゐるのでは
無
(
な
)
いかと
思
(
おも
)
つて、
顏
(
かほ
)
には
謂
(
い
)
ふべからざる
不安
(
ふあん
)
の
色
(
いろ
)
が
顯
(
あら
)
はれる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
喜怒色に顕わさず
或時
(
あるとき
)
私が何か漢書を読む中に、喜怨
色
(
いろ
)
に
顕
(
あらわ
)
さずと云う一句を
読
(
よん
)
で、その時にハット思うて
大
(
おおい
)
に自分で
安心決定
(
あんしんけつじょう
)
したことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
あの
嫉妬家
(
やきもちやき
)
に
奉公
(
ほうこう
)
するのはよしゃれ。
彼奴
(
あいつ
)
の
制服
(
しきせ
)
は
青白
(
あをじろ
)
い
可嫌
(
いや
)
な
色
(
いろ
)
ぢゃゆゑ、
阿呆
(
あはう
)
の
外
(
ほか
)
は
誰
(
た
)
れも
着
(
き
)
ぬ、
脱
(
ぬ
)
いでしまや。……おゝ、ありゃ
姫
(
ひめ
)
ぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
栄玄は来て饗を受けたが、
色
(
いろ
)
悦ばざるものの如く、遂に「客にこんな
馳走
(
ちそう
)
をすることは、わたしの
内
(
うち
)
ではない」といった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
加之
色
(
いろ
)
なら
圖柄
(
づがら
)
なら、ただ
暖
(
あつたか
)
く見せる側の繪といふことが
解
(
わか
)
るだけで、何處に
新機軸
(
しんきじゆく
)
を出したといふ點が無い。周三の覗ツた
的
(
まと
)
はすツかり
外
(
はづ
)
れた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
されど世にあらせ給ふほどは
孝信
(
かうしん
)
をまもりて、
六〇
勤
(
ゆめ
)
色
(
いろ
)
にも出さざりしを、
崩
(
かく
)
れさせ給ひてはいつまでありなんと、
武
(
たけ
)
きこころざしを
発
(
おこ
)
せしなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
これによつても、この
時分
(
じぶん
)
からすでに
色
(
いろ
)
がらすがつくられたことがよくわかりますが、
無色透明
(
むしよくとうめい
)
の
板
(
いた
)
がらすはまだ
世界中
(
せかいじゆう
)
どこにもありませんでした。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
それにしてもどういう風に三十六品の献立をしましょうか、それがなかなか大変です。エート、やっぱり支那料理に
傚
(
なら
)
って四
色
(
いろ
)
ずつとしましょうか。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
吾等
(
われら
)
の
前
(
まへ
)
に
立
(
た
)
つて、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
と
私
(
わたくし
)
との
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めたが、
左迄
(
さまで
)
驚
(
おどろ
)
く
色
(
いろ
)
がない、
目禮
(
もくれい
)
をもつて
傍
(
かたはら
)
の
倚子
(
ゐす
)
に
腰
(
こし
)
打
(
う
)
ち
掛
(
か
)
け、
鼻髯
(
びぜん
)
を
捻
(
ひね
)
つて
靜
(
しづ
)
かに
此方
(
こなた
)
に
向直
(
むきなを
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それは
下町
(
したまち
)
の
相場
(
さうば
)
とて
折
(
をり
)
かへして
來
(
く
)
るはなかりき、さるほどに
此
(
この
)
ほどの
朝
(
あさ
)
まだき
四十
(
しじふ
)
に
近
(
ちか
)
かるべき
年輩
(
としごろ
)
の
男
(
をとこ
)
、
紡績織
(
ばうせきおり
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
も
少
(
すこ
)
し
色
(
いろ
)
のさめたるを
着
(
き
)
て
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼等
(
かれら
)
は
皆
(
みな
)
、この
曇天
(
どんてん
)
に
押
(
お
)
しすくめられたかと
思
(
おも
)
ふ
程
(
ほど
)
、
揃
(
そろ
)
つて
脊
(
せい
)
が
低
(
ひく
)
かつた。さうして
又
(
また
)
この
町
(
まち
)
はづれの
陰慘
(
いんさん
)
たる
風物
(
ふうぶつ
)
と
同
(
おな
)
じやうな
色
(
いろ
)
の
著物
(
きもの
)
を
著
(
き
)
てゐた。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
嬋娟哥妓
(
うつくしきげいしや
)
袖をつらね、
素手
(
そしゆ
)
弄糸
(
いとをろうし
)
朱唇
(
しゆしん
)
謡曲
(
きよくをうたふ
)
迦陵頻伽
(
かりやうびんが
)
の
声
(
こゑ
)
、
外面如𦬇
(
げめんによぼさつ
)
の
色
(
いろ
)
興
(
きやう
)
を
添
(
そゆ
)
れば、
地獄谷
(
ぢごくだに
)
遽然
(
たちまち
)
極楽世界
(
ごくらくせかい
)
となれり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
案じぬとは人非人とも
無義道
(
むぎだう
)
とも
譬
(
たと
)
へがたき者なりと心の内には思へ共
色
(
いろ
)
にも出さず只一
心
(
しん
)
に
稼
(
かせ
)
ぎけれど
燒石
(
やけいし
)
へ水の
譬
(
たとへ
)
の如くなれば
左
(
と
)
やせん
右
(
かく
)
やと
獨
(
ひと
)
り心を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それ
食
(
じき
)
は、
色
(
いろ
)
を
増
(
ま
)
し、
力
(
ちから
)
をつけ、
命
(
いのち
)
を
延
(
の
)
ぶ。
衣
(
ころも
)
は、
寒
(
さむ
)
さをふせぎ、
暑
(
あつさ
)
を
支
(
さ
)
え、
恥
(
はぢ
)
をかくす。人にものを
施
(
せ
)
する人は、人の
色
(
いろ
)
をまし、
力
(
ちから
)
をそへ、
命
(
いのち
)
を
續
(
つ
)
ぐなり。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
耳剽
(
じひょう
)
し
口衒
(
こうげん
)
し、
色
(
いろ
)
を
詭
(
いつわ
)
り
辞
(
ことば
)
を
淫
(
いん
)
にし、聖賢に
非
(
あら
)
ずして、
而
(
しか
)
も自立し、
果敢
(
かかん
)
大言して、以て人に高ぶり、而して理の是非を顧みず、
是
(
これ
)
を名を務むるの
蠹
(
と
)
という。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
はレース
糸
(
いと
)
の
編物
(
あみもの
)
の
中
(
なか
)
に
色
(
いろ
)
の
褪
(
さ
)
めた
夫
(
をつと
)
の
寫眞
(
しやしん
)
を
眺
(
なが
)
めた。
恰
(
あたか
)
もその
脣
(
くちびる
)
が、
感謝
(
かんしや
)
と
劬
(
いた
)
はりの
言葉
(
ことば
)
によつて
開
(
ひら
)
かれるのを
見
(
み
)
まもるやうに、
彼女
(
かのぢよ
)
の
心
(
こゝろ
)
は
驕
(
をご
)
つてゐた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
皺
(
しわ
)
のよった小さな顔は赤みがかって、人のよさそうな
青
(
あお
)
い
眼
(
め
)
が
色
(
いろ
)
のさめかけた
瑠璃草
(
るりそう
)
のような
色合
(
いろあい
)
だった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
見ると、新
色
(
いろ
)
でも出來たか。——人の戀路を邪魔する氣はねえが、お前のお膝もとの土手に陣を敷いてるのは止せよ。鼻を取拂はれたひにや、好い男の恰好が付かねえ
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
〔評〕十年の
役
(
えき
)
、私學校の
徒
(
と
)
、
彈藥製造所
(
だんやくせいざうじよ
)
を
掠
(
かす
)
む。南洲時に兎を
大隈
(
おほすみ
)
山中に
逐
(
お
)
ふ。之を聞いて
猝
(
にはか
)
に
色
(
いろ
)
を
變
(
か
)
へて曰ふ、
誤
(
しま
)
つたと。
爾後
(
じご
)
肥後日向に轉戰して、神色
夷然
(
いぜん
)
たり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
並木のように立ち並んでいる浅緑の
色
(
いろ
)
鮮
(
あざやか
)
な落葉松の木立を、東沢の深い谷間に
瞰下
(
みお
)
ろして、まだ探らなければならない境地の秘められているのを知って喜んだのであった。
思い出す儘に
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
世の
果
(
はて
)
は
何處
(
いづこ
)
とも知らざれば、
亡
(
な
)
き人の
碑
(
しるし
)
にも
萬代
(
よろづよ
)
かけし小松殿内府の
墳墓
(
ふんぼ
)
、見上ぐるばかりの石の面に彫り刻みたる淨蓮大禪門の五字、
金泥
(
きんでい
)
の
色
(
いろ
)
洗
(
あら
)
ひし如く猶ほ
鮮
(
あざやか
)
なり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
竹敷
(
たかしき
)
のうへかた
山
(
やま
)
は
紅
(
くれなゐ
)
の
八入
(
やしほ
)
の
色
(
いろ
)
になりにけるかも 〔巻十五・三七〇三〕 新羅使(大蔵麿)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
源氏の再版の
祝
(
いはひ
)
だと云つて
煙草
(
たばこ
)
を十二
色
(
いろ
)
交ぜて持つて来てくれた。嬉しくてならなく思つた。
六日間:(日記)
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
かつと
横
(
よこ
)
に
射
(
さ
)
し
掛
(
かけ
)
る
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
其
(
そ
)
の
凄
(
すご
)
い
雲
(
くも
)
の
色
(
いろ
)
を
稍
(
やゝ
)
和
(
やはら
)
げて
天鵞絨
(
びろうど
)
のやうな
滑
(
なめら
)
かな
感
(
かん
)
じを
與
(
あた
)
へた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
殖
(
ふ
)
えたのぢやアありアしない、
当然
(
あたりまへ
)
な話だよ。亭「
其様
(
そんな
)
に
色
(
いろ
)
んな事を
云
(
い
)
つちやア
側
(
そば
)
から忘れちまあア。妻「お
赤飯
(
せきはん
)
を
有難
(
ありがた
)
う
存
(
ぞん
)
じますつて、一
番
(
ばん
)
終
(
しまひ
)
に
女房
(
にようばう
)
も
宜
(
よろ
)
しくと
云
(
い
)
ふんだよ。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そのお葉という女は小娘のときから
色
(
いろ
)
っ
早
(
ぱや
)
い奴で、十六の春から千住の煙草屋に奉公しているうちに、そこの甥の元吉と出来合ったことが知れて、その年のくれに暇を出され
半七捕物帳:36 冬の金魚
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“色”の解説
は、可視光の組成の差によって感覚質の差が認められる視知覚である色知覚、および、色知覚を起こす刺激である色刺激を指す。
(出典:Wikipedia)
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“色”を含む語句
顔色
彩色
黄色
容色
褐色
黄金色
面色
気色
淡紅色
橙色
金色
景色
音色
声色
灰色
色彩
紅色
顏色
銅色
三色菫
...