“傚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なら85.7%
なろ4.3%
ならっ2.9%
ならひ2.9%
1.4%
ならわ1.4%
1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ある時、正成の故事にならって、糞合戦くそがっせんを計画した。それを格子のところで実行した。母も、親戚も、村の人も散々な足利勢あしかがぜいであった……
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
泰西たいせいの築城術になろうて、天主閣を建るものあり。その工芸、医薬を応用するものあり。甚しきはみずから基督キリスト教的名号を名乗り、その印章には羅馬ローマ字を用ゆるものあり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
一家の主人、その妻を軽蔑すれば、その子これにならって母をあなどり、その教を重んぜず。母の教を重んぜざれば、母はあれどもなきが如し。孤子みなしごに異ならざるなり。
中津留別の書 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
前編ぜんへんのせたる三国嶺みくにたふげは、牧之老人が草画さうぐわならひて京山私儲わたくしして満山まんざん松樹まつのきゑがけり。越遊ゑついうの時三国嶺をこえしに此嶺このたふげはさらなり、前後の連岳れんがくすべて松を見ず。此地にかぎらず越後は松のすくなき国なり。
「なにしろ早急のことで——」と大野順平が取りすためにおもい口をいた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
今日の会合は食道楽会の発会ですから二円の原料で随分立派な御馳走を拵えましたが必ずしも世人せじんをしてこれにならわしめようとは申しません。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
すると、弟の修造も自然、彼をねてやはりもう店を訪れようとはしないのであった。静三は後になって回想すると、この頃を境に彼は日向から日蔭へ移されたような気持がする。
昔の店 (新字新仮名) / 原民喜(著)