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情人
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いろ
ふりがな文庫
“
情人
(
いろ
)” の例文
「飛んだ久松の孫右衛門さ。旦那のいねえ夜を合図で知らせて、引っ張り込んでた
情人
(
いろ
)
あ誰だ?
直
(
ちょく
)
に申し上げた方が為だろうぜ。」
釘抜藤吉捕物覚書:03 三つの足跡
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
思つた通りに馬車がホテルの入口で止ると、私の
情人
(
いろ
)
は(これこそオペラ女の戀人に使ふにふさはしい言葉です)、車から
降
(
お
)
りた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
……松本伊豆守の用人がお品の店へ出入りをする。……一月十五日に『ままごと』が、伊豆守の邸へ届けられる。……新八郎氏がお品の
情人
(
いろ
)
。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お
前
(
め
)
さん、我慢なるめえじゃねえかね。こう、可い加減にしねえかい。柳橋の蔦吉さんが、
情人
(
いろ
)
と世帯を持った
家
(
うち
)
だ、
汝達
(
てめえたち
)
の手に渡すもんか。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『命せえあればまたどんな事でもできらア。銭がねえならかせぐのよ、
情人
(
いろ
)
が
不実
(
ふじつ
)
なら別な
情人
(
いろ
)
を目つけるのよ。命がなくなりゃア種なしだ。』
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
彼
(
か
)
の
情人
(
いろ
)
の伊之吉でげすが、エー、花魁は決して海上になびく気遣いはない、まかり間違えば死のうとまでしたんだから
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
情人
(
いろ
)
でも何でもないものなら、お前が自腹を切る
謂
(
い
)
われはないじゃないか。家だってお前の親類の人から、勘定を取ろうとは言やしまいし。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼女は、半刻ほどそこに立っている間に、戸狩の若い男を幾人も
情人
(
いろ
)
にして肉慾に生涯して土へかえったお千代後家のことなどを、ぼんやりと考えていた。
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
好
(
い
)
い気味だ、——あれはお前の
情人
(
いろ
)
だろう。知らなくってさ、——お、もう口火は燃え切った、ホ、ホ、ホ、ホ
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いったい、そのおせんの
情人
(
いろ
)
というのは、
何者
(
なにもの
)
なんだか、
松
(
まっ
)
つぁん、はっきりあたしに
教
(
おし
)
えておくれ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
君の
情人
(
いろ
)
は君に
負
(
そむ
)
いたぢやらうが、君の
友
(
フレンド
)
は
決
(
け
)
して君に負かん
筈
(
はず
)
ぢや。その
友
(
フレンド
)
を
何為
(
なぜ
)
に君は棄てたか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「おいらが
生命
(
いのち
)
がけで
惚
(
ほ
)
れた女を、横取りした奴の面が見てえ、呼びねえな、ええ呼んでみろ。——この女は
私
(
あっし
)
の
情人
(
いろ
)
でござんすと、そいつの前で立派に名乗ってやらあ、さあ呼ばねえか」
嫁取り二代記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「なんだって……
情人
(
いろ
)
とか
恋人
(
こい
)
とかのことを云ってるんじゃないよ。」
慾
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
女給さん、ベッドに寝ているのを、
情人
(
いろ
)
だと思ったんですよ。
耳香水
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「その武家というのはお俊の
情人
(
いろ
)
だろうね」
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
醜女
(
すべた
)
が
情人
(
いろ
)
を探しはしめえし、もう出来たよで断られちゃ、間尺に合うもんじゃねえ。ね、蔦ちゃんの前だけれど
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
深山に
情人
(
いろ
)
と誤解された弟と一緒に、初めて笹村の家へ来た当時のお銀——その時の
冴
(
さ
)
え
冴
(
ざ
)
えした女の目の印象は、まだ笹村の
頭脳
(
あたま
)
に
沁
(
し
)
み込んでいたが
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ではおせんにゃ、ちゃんとした
情人
(
いろ
)
があって、この
節
(
せつ
)
じゃ
毎日
(
まいにち
)
、そこへ
通
(
かよ
)
い
詰
(
づ
)
めだというんだね」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
花「そんなことア
情人
(
いろ
)
のうちさ、
女房
(
にょうぼ
)
となれば面白くなくってよ、心配でならないわ、ホヽヽヽ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おまえは、又十郎を
擒人
(
とりこ
)
にしたが、同時に、又十郎を
情人
(
いろ
)
にもしたので殺しかねたのであろう。
柳生月影抄
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その代りお前の名前を
譫言
(
うはごと
)
に言つて居るあの娘は、この御殿と一緒に
木葉微塵
(
こつぱみぢん
)
に
碎
(
くだ
)
け散るよ。好い氣味だ、——あれはお前の
情人
(
いろ
)
だらう。知らなくつてさ、——お、もう口火は燃えきつた。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「亭主と申しましても、へっへ、こういう境涯の人間でございます、なにも人別帳に書くほどはっきりしたものではございません、いってみれば
情人
(
いろ
)
とでも申しましょう。へえ、もう三年このかた夫婦同様の仲でございます」
明暗嫁問答
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
情人
(
いろ
)
じゃなおなし
溺るるもの
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「
何
(
なん
)
だ。
強盜
(
がうたう
)
だ、
情人
(
いろ
)
だ。」と
云
(
い
)
ひさま、ドンと
開
(
あ
)
けて、
衝
(
つ
)
と
入
(
はひ
)
つて、
屹
(
き
)
と
其
(
そ
)
の
短銃
(
ピストル
)
を
差向
(
さしむ
)
けて、
一目
(
ひとめ
)
見
(
み
)
るや、あ、と
叫
(
さけ
)
んで、
若旦那
(
わかだんな
)
は
思
(
おも
)
はず
退
(
すさ
)
つた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
(あれは旦那。俺は心の
情人
(
いろ
)
。こうしていれば、生涯の情人だからなあ……)と。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうお客にすりゃ御損が
行
(
ゆ
)
く、
情人
(
いろ
)
にして不足のねえからっけつ曾我の十郎てえお
兄
(
あに
)
いさんだ、頼むぜ、と取巻いた人立を割って怒鳴り込んだんでさ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仇吉
(
あだきち
)
だったか、
米
(
よね
)
八だったか、女が、小梅の茶屋で、
情人
(
いろ
)
の丹次郎を待ちあわせている。……逢い
曳
(
びき
)
の待つ
間
(
ま
)
が長く、じれぎみになっているうちに、男の影が、小梅田ン圃の
彼方
(
あなた
)
に見えてくる。
梅ちらほら
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遊女
(
おいらん
)
は自分が薄着なことも、髪のこわれたのも気がつかずに、しみじみと
情人
(
いろ
)
の顔じゃ。
窶
(
やつ
)
れりゃ窶れるほど、嬉しいような
男振
(
おとこぶり
)
じゃが、大層
髭
(
ひげ
)
が伸びていた。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「だれだい。奥へ来ている
旦
(
だん
)
つくッてえな、巧奴の
情人
(
いろ
)
か」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これでは何の
取得
(
とりえ
)
もないが、ここに注意すべきは女房たるもの、兄とその
情人
(
いろ
)
のごときもの、且つ女中に至るまで、よく注意して秘密を守り遂げる信用があるので
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(御守殿め、男を振るなんて生意気な、
可
(
よし
)
、清葉さんが嫌った人なら、私が
情人
(
いろ
)
にしてやろう。……)
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
江戸児
(
えどっこ
)
だと、見たが可い! 野郎がそんな
不状
(
ぶざま
)
をすると、それが
情人
(
いろ
)
なら
簪
(
かんざし
)
でも刺殺す……
金子
(
かね
)
で売った
身体
(
からだ
)
だったら、思切って、
衝
(
つっ
)
と立って、袖を払って帰るんだ。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しッ
越
(
こし
)
もない癖に、
情人
(
いろ
)
なんぞ
拵
(
こしら
)
えて、何だい、
孕
(
はら
)
むなんて不景気な、そんな体は難産と
極
(
きま
)
ってるから、血だらけになって死なないようにとお慈悲で
堕
(
おろ
)
してやったんだ。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生命
(
いのち
)
がけの
情人
(
いろ
)
が有って、火水の中でも添わねばならない、けれど、借金のために身抜けが出来ず——以前
盗人
(
どろぼう
)
が居直って、
白刃
(
しらは
)
を胸へ突きつけた時、
小夜着
(
こよぎ
)
を
被
(
かぶ
)
せて私を
庇
(
かば
)
って
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「聞きねえ、婆さん、
御前
(
おまえ
)
なんざあ上草履で廊下をばたばたの方だったから、
情人
(
いろ
)
を
達引
(
たてひ
)
くのに、どうだ、こういうものは気が付くめえ。豪儀なもんだぜ、こら、どうだ素晴しいもんじゃあねえか。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや、そのね、ニヤリと
北叟笑
(
ほくそえ
)
みをする
凄
(
すご
)
さと云ったら。……待てよ、この御寮人が
内証
(
ないしょ
)
で
情人
(
いろ
)
をこしらえる。
嫉妬
(
しっと
)
でその妾の
腸
(
はらわた
)
を
引摺
(
ひきず
)
り出す時、きっと、そんな笑い方をする男に相違ないと思った。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あれ、邪険にお踏みでない。私の
情人
(
いろ
)
が居るんだから。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
何
(
なに
)
が
盜人
(
ぬすびと
)
です、
私
(
わたし
)
は
情人
(
いろ
)
ぢやありませんかね。」
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“情人”の意味
《名詞》
情人 (じょうじん, じょうにん)
意中の人、恋人。
情夫。情婦。
(出典:Wiktionary)
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“情”で始まる語句
情
情夫
情婦
情誼
情緒
情事
情合
情景
情死
情無