“上府”の読み方と例文
読み方割合
じょうふ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
中国の総督そうとく、羽柴筑前守秀吉、安土へ上府じょうふす——と公然にとなえて、彼は、その任地播州ばんしゅう姫路からものものしくも出向いて来た。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江戸墨屋敷すみやしきにいた当時から、そなたに生涯の恋をけている男というのは、近い日のうちに、すばらしい出世のかぎを握って上府じょうふすることになっている。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「されば、名残の宴でもある。藩祖はんそが阿波の国を賜うて以来、上府じょうふ帰国の船中では、太守を初め水夫楫主かこかんどり、一滴の酒をねぶることもゆるさぬ家憲かけんでござりますゆえ」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)