秘密ないしよ)” の例文
旧字:祕密
「そりや秘密ないしよなんですとさ。」と輕く謂ツて、「聞きたきア、聖天様に伺ツてゐらツしやい。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
妾が今夜来たことやら蔭で清をば劬ることは、我夫へは当分秘密ないしよにして。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
箪笥といふものは、博士のうちにあつても、俥夫くるまやうちにあつても感心な程腹の太いもので、亭主の秘密ないしよも、女房の臍繰へそくりも、流行品も流行後れも同じやうに飲み込んで、ちつとも厭な顔を見せない。
わたしの心の秘密ないしよの吐息か
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)