“ものしづ”の漢字の書き方と例文
語句割合
物靜100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『此處(こゝ)が秘密(ひみつ)の塲所(ばしよ)の入口(いりくち)です。』と櫻木海軍大佐(さくらぎかいぐんたいさ)は私(わたくし)を顧見(かへりみ)た。此時(このとき)はまだ工事(こうじ)も始(はじ)まらぬと見(み)へ、例(れい)の鐵(てつ)の響(ひゞき)も聽(きこ)えず、中(なか)はシーンとして、凄(すご)い程(ほど)物靜(ものしづ)かだ。
物靜(ものしづ)かにつヽましく諸藝(しよげい)名譽(めいよ)のあるが中(なか)に、琴(こと)のほまれは久方(ひさかた)の空(そら)にも響(ひヾ)きて、月(つき)の前(まへ)に柱(ちゆう)を直(なほ)す時(とき)雲(くも)はれて影(かげ)そでに落(お)ち、花(はな)に向(むか)つて玉音(ぎよくおん)を弄(もてあそ)べば鶯(うぐひす)ねを止(とヾ)めて節(ふし)をや學(まな)びけん
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)