“ふっくら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
円満33.3%
懐中33.3%
豊艶33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
八年前の十一月初めて奈良に来たゆうべ、三景楼の二階から紺青こんじょうにけぶる春日山に隣りして、てんの皮もて包んだ様な暖かい色の円満ふっくらとした嫩草山の美しい姿を見た時、余の心は如何様どんなおどったであろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そこで上りかまちに腰をかけて懐中ふっくらからその貰うた指環をば出いて、てのひら中央まんなかへ乗せて、タメツ、スガメツ引っくりかやいておりますと、背後うしろからヌキ足さし足、覗いて見た親父おやじ
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
豊艶ふっくらのぞいた乳首ちちくびが白い蛇の首に見えて、むらむらとうろこも透く、あの指の、あの白金プラチナが、そのまま活きて出たらしいで、俺はこの手足も、胴も、じなじなと巻緊まきしめられると、五臓六腑が蒸上むれあがって
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)