円満ふっくら)” の例文
旧字:圓滿
八年前の十一月初めて奈良に来たゆうべ、三景楼の二階から紺青こんじょうにけぶる春日山に隣りして、てんの皮もて包んだ様な暖かい色の円満ふっくらとした嫩草山の美しい姿を見た時、余の心は如何様どんなおどったであろう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)